お姫様と王子様°Nozomu°

姫と王子 28 ページ28

なによ。




ちょっとイケメンやからって。









でも、実際、ドキドキした。









悔しいけど。









小瀧を嫌いになることは、もう無理だろう。









だって、私は自分が思っている以上に小瀧のことが好きだと思う。









本当は認めたくなかったけど。









風で揺れる、私の髪の毛が邪魔で、耳にかける。








ふと、その時、小瀧の顔が見えた。









今にも泣きそうな顔して、小瀧らしくない。









なんで？









そんな疑問ばかりが頭の中で浮かんでくる。









でも、ここでその疑問をぶつけると、小瀧は無理して笑うと思うから。









そんな、笑顔見たくない。









だから、私は、





そっと、小瀧の頭を撫でた。









小瀧は、驚いてなにも喋らない。









しばらくして、私の肩に、コテンと小瀧が頭を乗せた。









私はなにも言わないまま、抱き締める。









自分がなにをしてるかわかってる。






みんなの王子様を抱き締めてる。







彼氏、彼女の関係でも、なんでもないのに。







これは、ズルい？









・









・









・









小瀧「もう、ようわからん。」









小瀧はそう言って、優しく私の腕を離した。






そして、そのまま屋上を出て行った。









なにが、わからないの？





私は、小瀧がわかんない。

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