72話 ページ23
Aside
文化祭は無事終わり、あとは後夜祭のみ。
生徒達がグラウンドに出て、キャンプファイヤーの周りに集まっていく。
教室の窓からのんびりと眺める。
伊藤さんと行きたかったな……
そんな事を思っていたら、教室のドアが開いた。
車椅子に乗った、短髪の青年。
伊藤さんだった。
伊「Aちゃん、本当にごめん!!
京ちゃん達から全部聞いた。
彼氏失格だね、俺…」
勢いよく頭を下げる伊藤さん。
ゆっくりと歩み寄る。
A「もう、大丈夫だよ。頭上げて?」
おずおずと頭を上げた伊藤さんに、
A「私こそ、黙っててごめんなさい。」
私も頭を下げた。
伊「いやいやいやっ!
ちょっ、Aちゃん、頭上げて!!」
A「これでお互い様だよ?」
にっこりと笑えば、伊藤さんも笑った。
私の手をぐっと引っぱり、ちゅっと軽いリップ音を立てて、私の頰にキスをした。
伊「リハビリ真面目にやったら、二週間ぐらいで歩けるようになるから。
もうちょっと待っててね。」
A「サボっちゃダメよ?
私、見に行くからね?」
伊「Aちゃんが来てくれたら、俺頑張っちゃう〜♡」
A「伊藤さんったら〜」
西日が差す教室の中、私達は抱きしめあった。
END
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作者名:伊沢環子 | 作成日時:2019年1月14日 3時