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気怠い恋愛ごっこ ページ2

やあ、みんな初めまして。私の名前は白布千春、15歳の高校1年生。3月生まれだから誕生日はまだなんだぜ。ちなみに読モってやつで生活を営んでいる。
え?一人暮らしでもしてるのって?
うん、今年の春から。

と、画面の前の貴方に挨拶をしたところで、私は電車で隣の席に揺られている『彼氏』の国見英くんを見上げた。
彼もこちらの視線に気がついたようで短く一言「何?」とめんどくさそうに尋ねた。

「いや、なんとなく見てただけ。」

そう返すとふうん、と彼はまた視線を窓に移した。
外の情景を眺めるでもなくただ窓を見ている。
私たちは、他校のカップルがするように手を繋いだり電車の中でイチャコラ出来ない愛のない恋人同士だった。

「横顔ブスいね。」

煽るつもりで言っても彼は涼しげな声で
「そりゃ、カリスマモデルの千春ちゃんには敵いませんよ〜。」
と言って鞄の中から塩キャラメルを取り出して口の中に放った。
頼んでもいないのに私の手にも一粒握らせてくる。私がキャラメルが嫌いってことを知っているから。

「うざあ。」

そう言う私を、無視して立ち上がると目だけで降りるよと合図する。形の整った薄い唇が三日月みたいにキュッと微笑んでいる。光のない死んだ目でも何かを伝えたいときは人並みに色が宿る。

綺麗な目だといつも思う。ほうっと見惚れる。真っ黒いのに、たまに鮮やか。いつもは死んでる。

電車を降りて駅を出て、一歩先を歩く細いのに筋肉のしなやかさを感じさせる不思議な背中を見上げながら、鼻歌を歌う。

なんだか大掛かりな恋愛ごっこをしてるみたいで、無性に疲れていた。

きっかけは 1→←雑な設定



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作者名:月乃花 | 作成日時:2018年11月9日 23時

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