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俺の膝の上を陣取ってぶすくれる彼女。
このモードのスイッチ入れてしまった張本人として
膝の上に寝転がられているのを甘んじて受け入れ(満更でもないし)話を聞いていけば、どうやらへそ曲げてるのはネギついてるとこ見られただけが理由じゃ無いらしい。
鏡を見るため席を外した間に会計を済まされて
”今まで先輩方にして貰ったのと同じ事してるだけです”
とイケメンなこと言われたことが悔しかったよう。
ほんっとたまーに良く分かんないのよねうちの奥さんてば
ラッキー♡くらいで済ましときゃ良いのに
「まーでも俺的には有難いけどなー」
『そうなの?』
「うん。
…まぁ、俺も奥さんが他の男と二人きりってのに
思うものがないと言や大ウソになるけどさ」
言葉を句切った俺を不思議そうに双眸が見上げてくる。
じっと見詰めてくる瞳、此方も視線を逸らさずに
その滑らかな肌に指を這わせて、片手で両頬をむにっと挟んでやる。
「俺が愛して止まない最愛の奥さんは一人になると途端に食に無頓着になるから心配なんだよねぇ
前にカ◯リーメイトで昼飯済ませようとした前例があるし♡」
『…』
痛いとこ突かれた、とばかりに目を伏せてそっと顔を逸らそうとしてるのをそっと阻止しつつ、やわっこいつるすべほっぺたを堪能しておく。
抵抗無しでされるがままな彼女、長い睫毛が影を作ってて
俺が掴んでいることによって突き出される桜色の小さな唇
「……。」
『……ん』
そっと、そこに唇を押し付ければ柔らかな感触と
隙間から小さな声が漏れ出た。
パッと瞼を持ち上げた彼女が、キッと睨んでくるけど
頬がほんのり紅潮してるせいで可愛らしさしか無い。
「司ちゃんってばこわぁい」
『ずぇーったい思ってない!!』
「ぐぇっ」
鳩尾に向けて容赦の無い頭突きが1発。
そのままぐりぐりとしてくる彼女の後頭部に手を添えて、お返しだと俺もすり寄ってやるのだ。
基本的に食に執着がない彼女なもんで現場被ってる知り合い達には出来ればご飯は一人で食べさせないようにして欲しいと頼んでる。
恐らく諏訪部さんに頼んだその延長でその梅原くん?も連れてってくれたのだろう。
司ちゃんと年齢が近くて、イケメンで…
そんな子と彼女が二人きりなんて状況考えたくない。
真ん中に割って入って大人げなく牽制してやりたいくらいだ
だけど一人よりかは断然良い。
彼女の安全と
俺の心の安寧なんて
比べるまでもないのだから
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