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【Tukasa‐side】
画面にエンディングが流れ始める。
登場キャラ達が隣り合って座ってて、ほっこりするようなそんなモノだった。特にあの遊佐パイセンが相棒の肩に頭乗っけて眠ってるのは正直頭抱えた。
良すぎる。
見た目も実力も、声も性格も合わさって良すぎる。
ちくしょう悔しい、また推しが増える。金が飛ぶ。でも楽しい。働こ。
原作はコミックスなのか小説なのか勉強不足で存じ上げないが
どちらでも全部買う心積もりである。今決めた。
メイトさんグッズとか無い???
『あ』
通販の方でチェックしてみよう、と息巻いてスマホを手に取れば
ひょいっと掌からすり抜ける相棒。
空中へと持ち上げられた技術の結晶に向けて手を伸ばしてみるも
距離は離れるばっかり
『なになに返して』
「ヤダ。」
生来の顔付きが相まってギロッと効果音が付きそうな鋭い視線が寄越される。…唇が突き出されてるからそこまでじゃないけど数年前の私であれば確実に”やっべなんかやらかした、怒られる死んだわこれ”と思う位ではある。
『…いじわる』
「それ俺の台詞。
30分間も俺ちゃんと待ってたのに、更に”待て”喰らわすつもり?
巻き込まれた黒田くんもびっくりよ」
ずいっと目の前に差し出されたのは黒ウサギのぬいぐるみ…こと、黒田くん。
唐突すぎて、思わず瞬きを繰り返すも遅れて思い出した。
そうだ、ちょっと前に渡したんだ、他でもない私が。
「…なによ」
『いやなにも』
…………いけないいけない。
じとっとした視線を感じて、慌てて緩んだ口元を引き締めた。
…拗ねてる紀章さんには悪いけれど、黒田くんをお膝に乗せて大人しく待っている構図が浮かんで勝手に和んでしまった。ちょっと見たかった。
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