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【Kishou‐side】
「たっだいまー!」
…あれ?意味深ツイート?してた割に元気な挨拶。
何にも無いならそれで良いんだけど
「おかえりー」と声を掛けて玄関の方へ。
そうすれば、ガチャリとリビングの扉が開いて偉くご機嫌な奥さんが入ってきた。
「司ちゃん」
『はぁい』
「その頭に乗ってるぬいぐるみは一体…?」
帰ってきた、以外に中々強烈なインパクトを発しているのは
彼女の頭に乗ってる狼のぬいぐるみ
淡い青の体毛で胸元は白、耳は黒、目は光を受けて金色に輝いてる、中々可愛らしいデザイン
……なのだけど
それなりに大きいのもあって、頭に乗っかってると
パッと見は…リーゼント。
『良いでしょこの子
帰りがけに一目惚れしてお持ち帰りした』
その質問を待ってましたとばかりに、両手に抱えて目の前に突き出してくる。
どうどう?と言葉には出ていないものの表情に期待が募っている様子。
「えー可愛いー」
『でしょー!』
「うん、めっちゃくちゃに可愛い」
パァッと顔を輝かせては、両腕の中に収まるぬいぐるみに頬ずりしてる。
…ほらもう超可愛い。俺の嫁。
でもちょっと。ほんのちょーっとだけ
ハグを独占されてるのは気に食わない、俺の奥さんなのに。
「……それで?何かあったの」
同棲を始めて約2年といったところ。
その中で彼女が仕事帰りにこういった私物として残る物を買ってきたのは俺が把握している上では3回。今回で4回目。
そして大体そう言ったときは_
投げ掛けた言葉に彼女の肩がピクリと反応したのを見た。
__大抵何か、があった時なんだけど
ぬいぐるみを抱きかかえたまま、ゆっくりと蹲った彼女
それに合わせて俺も膝を折る
ダンゴムシのように小さく丸まった彼女は顔を伏せていてその顔は見れない。
『………た』
『なぁに』
ぼそりと何かを呟いた彼女の声は不明瞭で。
ゆっくりで良いよ、なんて付け加えながら彼女の後頭部を
わしゃわしゃ撫で回し、出来るだけ優しい声で聞き返す。
すぅっと彼女の背中が持ち上がる。
『ネギついてるとこ見られた…っ!!』
そう爆音で告げられた一言。
んー……
‐
「なんて???」
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