26日目 ページ13
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さーてさてさて、ちょっとした騒動と負傷から一夜明け
寝起きからお仕事頑張るぞー!!といつもよりなんだかやる気が満ちていた。
普段の通り朝ご飯を作って彼を起こして完食し
仕事の支度をしていれば
皿洗いを終えた紀章さんに呼ばれた。
「おいで」
と両腕を広げて待つ彼の元に飛び込めば
逞しい腕に抱き締められて、見上げてみれば
長い前髪のベールから覗く彼の瞳と目が合った。
「司ちゃんさ」
『うん』
「熱あるでしょ」
_ホワイ?
唐突な質問に、思わず口パカーッと開けて首を傾げる私を他所に額に手をあてては「ほらやっぱあついじゃん」なんて言いながら
どこからともなく体温計を取り出してきた
『え、いやめっちゃ元気だけど…?』
「んー…まぁ俺の杞憂なら別良いんだけどさ
心配だからお熱だけ測ろ?ね、お願い」
『……はぁーい』
いやいや、まさかまさか。
ナイナイ。あるのは熱じゃ無くてやる気と元気。
ほらほら今すっごい私やる気だよ。稼ぐよ稼ぐよ〜!
うわ体温計つめて
今なら朝から夜までびっしりお仕事でもピンピンしてる!今もしてるけ
「38.5」
『うそん』
無言で見せられた。
信じるしかない。
……いやでもこれはワンチャン
『紀章さんこれはもしかして』
「言わんこっちゃないじゃーん。
事務所には俺から連絡しとくから今日は…」
『帰りに新しい体温計買ってこなきゃかな』
「己を疑え。」
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熱出ると 謎にやる気が 出るタイプ
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