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静かに圧をかけてくる梅原さんを何とか説得し
まずはこの随分と悲惨な格好で事務室的なとこへ向かった
全身びしょ濡れ、頰腫れてて、唇切れてる、なんて3コンボで存外慌てさせてしまったが
「接触NGにするために加害者の映像が欲しい」
と言えば、なんてことはなくすんなりと手に入った。
なんなら「これで冷やしな!!」と氷まで貰ってしまった。今度菓子折持っていこうと思う。
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「旦那さんの電話番号教えて下さい。」
『え、なんでですか』
「なんでって勿論旦那さんに連絡とるためです」
後はこれ渡せば何とかなるぞーっ!(多分)と盛り上がる私。
そこに意外にも今までずっと口を出さずに付き添ってて下さった梅原さんが現実を見せてきた。
『ち、因みになんのご用件で…?』
「思い当たる節が?」
『…あります』
「それですよ。」
ちくしょう、至極当然の返しをされてしまった。
今の私の脳内を現すのなら、かの有名なムンクの叫びである。
まぁ確かにな!!それ以外の理由無いわな!!
「それに
僕にも責任はあるようなのでその謝罪含めてです」
『……聞こえてたんですか?』
「あーやっぱそうだったのか」
『……。』
ハメられたんだが。
なるほどなるほどやっぱりなぁー、と言った反応をする梅原さん。ハメられたんだが??(2回目)
『…別良いですよ連絡なんかしないで
私が煽ったのもあるんでまぁ自業自得みたいなモンです』
「…そういう訳には」
『あーあー聞こえないでーす』
何か言いたげな視線を感じつつも耳を塞いで態と声を発する。
先輩に言うことでは無いがしちめんどくさい
確かに
先に突っかかってきたのはあのアマで下手に出てりゃ水ぶっかけてきたが……あ、改めて言うと腹立ってた。
まぁ、ともかく。
私も私でこの悲惨な格好のままで
アイツがぶん投げてきたペットボトルを『忘れてったので』なんて言いながら返してるあたりお互い様
…よりかは向こうが悪いにしておきたいが本音だが
それでも、私が反省すべき点はあるのは間違いない
「…はあ」
深い溜息。
梅原さんが見るからに渋々といった様子で
「わかりました」
と呟いたのを聞いて、私はそっとガッツポーズしたのである。
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