・【※ケガの表現あり】 ページ11
‐
「ハッなに?負け惜しみ?みっともない」
『バカ?
どー考えたって玉砕したから周りからLINE貰おうとして
断られたら逆ギレして水ぶっかける方が数倍みっともないだろ』
「…あーそう。聞いてるわけ?だからそんな強情な」
『いや、ふっつーに考えりゃ分かるわ
こんなん本人に聞いた方が手っ取り早くて確実なのに
私に聞いてる時点でその前に何人かに当たって断られてんでしょ』
『つーかその時点で脈無しだろとっとと諦めれば?
あーでも無駄にプライド高そうだから無理か
だからこーなってんだもんな、ごめんごめん。』
「っこの!!黙って聞いてりゃ調子に乗ってんじゃねぇよ!!!」
パチンッと破裂音。
頬にはしる痛みと、ジリジリとした痛み。
口内に鉄臭さとぬるい液がじわりと広がる。
『そんな鼻息荒く興奮してんじゃねーよ
更年期か?』
「このっ…!」
再び構えられて即座に振り抜かれる右手。
ちょこっと仰け反れば
ぶぉんっと勢い良く風を切って眼前を平手が通り過ぎた。
ウッヒャー
「警備員さん、こっちです!」
「…チッ」
思いっきり振り抜いて空振りして、その勢いに少しふらついた女。そして、少し遠くから聞こえた声と近付く足音が聞こえるや否や
舌打ち1つ残して、走り去ってった。
んー、流石。
あの手の人って、引き際を見極めるのが上手いのはどこでも同じらしい。チョットだけ、詰めが甘いのも。
あっかんべー
「大丈夫ですか」
『あー大丈夫ですー
ってあ、梅原さん』
誰かと思えば梅原さん。
一人で来ているあたり、さっきのは咄嗟に出たウソって感じだろうか。
駆け足で近付いてきた彼にそう伝えれば「そうですか」と淡泊な返しが。そこから、上から下へと目線を動かして
…すっと目を細めた。
「…全身びしょ濡れで、頬張れてて唇切れてるのにですか」
『…っす』
255人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「声優」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ