[d!]我々と4年目の第1歩を。[建国記念] (ページ1)

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君が好きだと言ったから/shp ページ1

『なーあ、ショッピくんってなんで紫色なん？』

昼休み、屋上で密かに想いを寄せているA先輩と共にお弁当を広げていると、急に聞かれた。

「俺は紫色じゃないんすけど」

『それは分かってるよ！そうじゃなくて、よく紫色のもの身につけてない？今だって！』

ビッと指さされる。確かに今、寒いだろうと思ってシャツの上から紫色のジャンパーを身につけていた。

彼女には見えない位置にあるが、弁当箱を入れていたバッグも紫色だ。

「先輩も人の事言えませんけどね」

『ぐっ……好きなの？紫』

「いや、そういう訳じゃないっす」

嫌いと言えば嘘になるが、まぁ好きな方では無い。むしろ嫌いだった。

中途半端な色のような、気がして。

『じゃあなんでよ』

出会って間もない中学生の頃を思い出す。

『ショッピくん、何見てるの？』

「…先輩って、紫色好きなんですか？」

『大好き。なんで急に？』

「髪飾り、綺麗やなって思って」

『あぁ、これ？お母さんがね、高校に入った時にくれた。本物のアメジストなんだよ～』

「へぇ…」

「…好きな人の好きなものは、好きになりたいじゃないですか」

「……好きです、A先輩」

「付き合ってください」

先輩は、ポカンとした後、ふわりと笑って言った。

「喜んで」

彼女の髪に留められたアメジストが、陽に当たってきらきらと輝いていた。