61 ページ11
ハルが大慌てで出ていった部屋の中は、テレビの音だけが聞こえていた。
抗争は無くなったはず。
なのに、なぜあんなに血相を変えて飛び出して行ったのだろう。
窓を叩きつける雨の音に、ソファーから立ち上がって窓にそっと触れる。
街頭に照らされて見える落ちてくる雫は、まるでバケツをひっくり返したかのようで、だんだんと強まっていた。
ないとは思うが、バイクで転けてないといいな。
そんな事を思っていると、ケータイが着信音を立てた。
画面を見ると、エマ。
はて、私の計画では今ごろ祭りの最中に雨が降って来て、ドラケンとどこかで雨宿りして、夜に2人っきりでいい雰囲気になってるはずなのだが。
『もしもしどうしt「A！！！ドラケンが！！！」
エマの泣き叫ぶ声にニヤけていた顔から険しい顔になる。
『落ち着いてエマ
何があったの？今どこ？』
「いまっ、武蔵神社の駐車場から…少し離れた道でっ
愛美愛主がっ！！
ドラケンを刺したの！！」
『は？愛美愛主？』
「今、救急車呼んでっ
タケミっちがドラケン運んでくれてたんだけど
足止めされててっ！！」
『マイキーは？ハルでもいい！』
駐車場で抗争中。しゃくり上げる中、ようやく発したエマの答えに、家の鍵を掴んで走っていく。
『すぐ行くから！』
「助けてA
ウチ、どうしたら…いいかっ
ヒナもいるの」
電話を繋いだまま、雨の中を走っていく。
横断歩道の信号も無視して走っていると、隣で救急車が追い抜いていった。
『祭りで道が混んでる…けど多分今救急車抜けていったから！すぐ着く！！
エマ！？』
「ぁ、倒した…タケミっちが勝った……」
その声の後に、この前マイキーとドラケンが仲直りした日にいた、タケミっちの友達の声がした。
「A、勝てるかもしれない」
『私もそんな気がする』
走りながらそう答えた電話越しに聞こえたのは、パトカーの音と先ほどの救急車の音。
「A、救急車が来た！！」
『エマはそのまま病院行って！
私もそっち向かうから』
「で、でもヒナが」
『私がついてるからっ！
もう着く！！』
病院の場所決まったら教えて！と言って電話を切り、息の上がってきた状態で更に足を速めた。
『ヒナっ！』
「Aちゃん！！
ドラケン君が！
タケミチ君も救急車に」
『知ってる！エマから聞いたっ』
膝に手をついて乱れた息を整える。
『エマから病院の場所教えてもらったら行こ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 649人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉兎(プロフ) - 朝はパンよりご飯派さん» ありがとう！！！｡+ﾟヽ(*✪▽✪*)ﾉﾟ+｡ 頑張るね✨✨ (2022年8月25日 19時) (
レス) id: 29d9966584 (このIDを非表示/違反報告)
朝はパンよりご飯派 - １００話達成、続編３、、、おめでとう🎉これからもがんばってね。 (2022年8月25日 18時) (レス) @page50 id: 913863b25c (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 雪兎さん» 昨日は大量に更新できました🥰 喜んでいただけてよかったですっ！！ そしてお待たせしました！！3もよろしくお願いします☺️ (2022年8月25日 16時) (レス) id: 29d9966584 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎 - 今日の昼まで用事があって見れなかったけど、開いたらめっちゃ更新されてて舞い上がりました！！続編待ってます^ ^ (2022年8月25日 13時) (レス) @page50 id: e83ca5f3e2 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - あさん» ありがとうございます！！✨ 今日中に3に移行しますので少しお時間ください！(≧ω≦ ) (2022年8月25日 11時) (レス) id: 29d9966584 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玉兎
| 作成日時：2022年8月13日 19時
