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相棒ノ知ラセ ページ10

『おださく、って何かしら。』

“おださくみたい”…
さっき、包帯さんが呟いた言葉。

『私が気にしてもしょうがないわね。』

鍵をかけた扉を見る。包帯さんが頑なに眠る事を嫌がるから、スタンガンを使って寝かせておいた。
まあ、どうせすぐにピッキングして出て行くんでしょうけど。気休めにもならないわ。


ため息をつく。
携帯電話を見ると、通知が来ていた。

『あら、あっちからメールなんて珍しいわね。』

トラ男君だ。

「千咲屋。」
『!?』

背後からいきなり声をかけられた。

『と、トラ男君…今貴方からのメールを読もうとした所だったのに…』
「悪い。あまりに返信が遅いから直接来た。」

彼がそこまでするのは珍しい。
少し息が荒いようにも見えるし…緊急事態?

組合(ギルド)の構成員が俺の仕事場に来た。…俺を探しにだ。ご丁寧に銃まで持ってな。」
『銃を持った武装集団が病院に居るなんて大事件ね。速報になってるか、警察が何かしらの対策をしてないと辻褄が合わない。

法的な力でもチラつかせてきた?』
「察しが良いな。」
『一応、冗談のつもりだったんだけどね…』

これでは、警察は勿論のこと、政府機関も、この組合(ギルド)戦には介入できない。

『勝てば、街を守れる。
でも負ければ、恐らく私と敦君は拉致され、この街もどうなるか分からない。

この街の平穏な暮らしの命運は、全て私たち次第という事ね。フフッ、責任重大。』
「お前はそう軽く言うが、かなりマズい状況だ。俺を探しにきたって事は、俺とお前が近しい関係だとバレてるって事だ。」
『なるほど。まあ、貴方がやられるとは思えないけど、このままこの戦いが長引けば、貴方のように、私たち武装探偵社に縁がある人がどんどん狙われる。』
「ああ。できれば早くケリをつけた方が良い。」

この、“あっち”とは違うスリル感。
──悪くないわね。

『じゃあ、トラ男君。』
「何だ?」
『私と組んで戦いましょう。前みたいに。』
「良いのか?今のお前は、」
『確かに私は武装探偵社員。でもその前に、貴方の相棒。…そうでしょう?』
「…ああ。まあ、俺もお前と組むのは悪くねぇと思ってるしな。じゃあ、俺はもう行くぞ。

──お前も、身の周りには気をつけろ。」
『了解。ついでに健太君の様子も見に行ってくれる?』

無言で頷くと、彼は異能力を発動した。


【シャンブルズ】


薄青色のサークルが現れ、すぐに彼は消えた。

夜叉ノ如シ→←仲間ト呼ンデクレ



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作者名:ミカン酢 | 作成日時:2022年10月22日 16時

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