ブラック本丸？いいえ、ブラックなのは審神者の方です (ページ29)

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ブラック審神者が二十八人ページ29

一つ、また一つと問題が増えていくたび
彼らと僕のミゾは深くなっていった。

短刀たちは
僕の顔を見ると逃げるように姿を隠した。
脇差・打刀たちは
僕に話しかけてこない。
太刀・大太刀たちは
…うん、彼らは無関心そのもの。

まぁ、
もともと人と関わるのは部活内だけだったし、
いまさらどーこー言うわけでもない。
…人と関わらないのは慣れてる。
避けられるのも
影でなにか言われるのも
僕にとってそれは当たり前のこと。
気にすることではない。

ただ、少し…ほんとに少しだけだったけど
彼らと過ごした時間が
輝いてみえるのは何故だろうか。

はじめて彼らに出会ったとき、
驚きはしたが
「愛」というものを少し感じられた気がする。

彼らと一緒に夕餉を食べたとき、
大勢の人と食事することに慣れていなくて
居心地が悪く動揺してしまったが
心が温かくなるのを感じた。

僕はこの本丸に来て、
おかしくなったのかもしれない。
人と関わった時間を
愛おしく思うなんて……
僕はやっぱりおかしいなったんだ。
この本丸に来て、彼らと関わって、
僕は少し変わってしまった。
その変化がいいものなのか、悪いものなのか
僕にはわからないけれど。