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ブラック審神者が二十三人 ページ24
目覚めの良い朝…といっても
まだ夜の闇が姿を表している。
…これは朝と言えるのだろうか？
まぁ、昨夜寝て
今起きたのだから朝と言えば朝なのだろう。
まず的に向かって一礼。
所定の位置まで歩み、的を見ながら足踏み。
その次に胴造り。
弦調べ箆調べをしてから弓構え。
手の内を確認、大きく深呼吸をして物見を定める。
僕の視界には目の前の的のみ。
集中、集中…
打起し、大三ときて、
左右均等になるように引分け、会。
やがて矢が
僕の馬手…矢を持っている右手から離れ、
真っ直ぐに的へと吸い込まれるように……
スパァンッという音をたてて、
僕の矢は的に突き刺さる。
あぁ、これだ。
この瞬間が気持ちいい。
この瞬間のためだけに
僕は弓道をしているといっても過言ではない。
今までの僕の努力は間違っていない…そう思える。
いや、そう思うしかないんだ。
『伽羅奢、僕は…間違ってはいないよね？』
間違っていない。
きっと間違っていないはずなんだ。
きっと、きっとね。
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作者名：闇咲シキ | 作成日時：2016年12月27日 22時
