竹林 ページ6
「ん〜〜〜、何故か、ってーとなぁ……」
阿修羅は、顎に手を当て悩む。余談だが、この五人。全員ものすごい美形だ。普通なら、間違いなく惚れてしまうだろう。
だけど、不思議と私は何も感じない。美しいのは分かるのだが、私は恋というものに疎いからだろう。
「オレたち剣武魔神のなぁ…… ん〜〜〜……」
まだ悩んでいる。まさか理由もなく迷いこませた、ということではなかろう。質問を変えることにした。
「私がここにこれたのは、この勾玉のお陰ですね?」
私は鞄から件の勾玉の飾りを取り出した。それを見て、阿修羅は思い出したように手を叩く。
「おお! それだそれ! お嬢ちゃんよ、猫と鳩と亀助けてくれたろ? さっきも言った通り、それがこいつらだ」
阿修羅は、白虎、朱雀、玄武を見る。白虎は爽やかに笑い、朱雀は口角をあげ微笑み、玄武は目を閉じる。たったそれだけの動作でも、とてつもなく美しいのが不思議だ。
「オレたちよ、こう見えても何千年も生きてんだ。諸事情で最近目覚めたんだがよ……」
「人間を見てきてたんだが、どうも悪いことを考えているやつが増えた。
そういうやつらとつるんでも、面白くねぇ。そこで、いいことをする人間と色んな話がしたかった」
阿修羅に代わり、白虎が話す。
「んで、
「そなたの優しさ、しかと見届けた。もしそなたが嫌で無ければ…… 我らの話し相手になって欲しい」
白虎に続き、朱雀も話をする。なんだ、そんなに大それた理由じゃないのか。なら…
「構わないですよ。私、さほど忙しい人間じゃないので……」
私の言葉に、剣武魔神は微笑む。うん、気がひけるくらい美人だ。そこで、玄武が口を開く。
「かたじけない… ところで、汝の名は何という?」
「私は…… 葛Aです」
「ふむ、そうか。A、よろしく頼む」
「へぇ、Aちゃんか。可愛いじゃねぇか。葛って名字も、その髪にぴったりだな」
「あ、ありがとうございます…」
どうも阿修羅は馴れ馴れしい。また私の肩に手を置いてくる。軽くはらい、彼らに向き直る。
「んん…… 手ごわいねぇ。ま、敬語とかじゃなくて気軽に話してくれよ? Aちゃんよ」
「……はい」
手ごわいというか、まだ大して仲良くもないヒトにこんなことされたら誰だってこうなるだろう。
私は、今日はとりあえず家に帰った。
61人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スプラMOMIZI(プロフ) - kirakirastar7さん» はじめまして。わー、ありがとうございます!!次回作は未定ですが機会があればまた作りたいです。 (2020年1月14日 16時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
kirakirastar7(プロフ) - 妖聖剣と高校生。とても楽しかったです(o^^o)次の剣武魔神夢、期待してます (2020年1月13日 21時) (レス) id: a25d14debe (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - カンコクさん» ありがとうございます(*´ω`*) (2019年10月26日 20時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
カンコク - 続きだ早くよみたいです (2019年10月26日 13時) (レス) id: 7ac3401ee1 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - エンゼルフレンチβさん» コメントありがとうございます!朱雀かっこいいですよね〜、私は剣武魔神みんな好きです(*´ω`*) (2019年10月13日 9時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ