高校生生活 ページ3
「はーい」
ドアを開けると、大柄な男が二人いた。かなり怖い。私になんの用だろうか。もしかして、部屋を間違えたのか？
「娘、猫を知らぬか」
「……猫？ 白くて、爪痕のような柄のある？」
「お嬢ちゃん、そいつをオレたちに返してくんねーかな？ いるんだろ、その猫」
何て返したらいいか分からず戸惑っていると、部屋の奥から猫が駆けてきて、男のひとりに飛びついた。
「む、自ら来たか」
「ん、保護してくれてたのか？ お嬢ちゃん、ありがとな！」
男二人は、去っていった。正直少し怖かった。でも、あの大柄な二人が猫を愛でている様子を想像したら、少し笑ってしまった。
部屋を片付け、冷蔵庫の中を見ると、少し中身が少ない気がした。まだ時間もあるし、買い物に行くことにした。
行き先は、川沿いのスーパー。パンと生魚をカゴに入れ、その他諸々を眺めつつレジに並ぶ。
会計を終え、袋に氷を詰めて魚に乗せ、店の外に出た。ふと河川敷を見ると、鳩が餌をつついていた。
が、一匹だけやけに色の濃い鳩がいて、仲間はずれにされているようだった。
下に降り、さっき買ったばかりのパンの袋を開け、一枚取り出して小さくちぎり、その鳩にやる。鳩は嬉しそうにパンに食いつく。
あまり良くないのかもしれないが、ついかわいそうでやってしまった。……反省せねば。
ふと後ろを見ると、さっきの大男二人がこちらを見下ろしていた。何故ここにいるのだろう？ 少し怖くなり、さっさと家に戻ろうとした。
……が、川の中腹辺りに亀がいた。亀なのに、そこに取り残されてうろたえているようだ。
ため息をつき、履いていたサンダルを脱いで川に足を入れた。水は、ひんやりとしてて気持ちいい。
亀を抱え浅いところに動かし、ついでにさっき買った魚を一匹やると、嬉しそうにかじりついている。
それを見届けてから、私は荷物を持って寮に戻る。大男らは、いつの間にかいなくなっていた。
夕飯を食べ、だらだらとテレビを見る。時計を見ると、八時半を過ぎている。ああ、風呂に入らねば。
明日、小テストもあるのだ。少し勉強もしないと。
「毎日、似たような事の繰り返し。なにか、面白い事起きないかな〜……」
我ながら能天気なものだ。授業中に、たまにこういう発言をすると、『Aさんって面白いね』なんて言われることもある。
だが、私はこういう自分が好きじゃなかったりする。つい発言をして、後悔する事が多い。
「……どうにかならないかな……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スプラMOMIZI(プロフ) - kirakirastar7さん» はじめまして。わー、ありがとうございます！！次回作は未定ですが機会があればまた作りたいです。 (2020年1月14日 16時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
kirakirastar7(プロフ) - 妖聖剣と高校生。とても楽しかったです(o^^o)次の剣武魔神夢、期待してます (2020年1月13日 21時) (レス) id: a25d14debe (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - カンコクさん» ありがとうございます(*´ω｀*) (2019年10月26日 20時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
カンコク - 続きだ早くよみたいです (2019年10月26日 13時) (レス) id: 7ac3401ee1 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - エンゼルフレンチβさん» コメントありがとうございます！朱雀かっこいいですよね〜、私は剣武魔神みんな好きです(*´ω｀*) (2019年10月13日 9時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
