朱雀 ページ18
朱雀にはすぐに追い付いた。お互い無言で、麓まで歩く。そして、幻獣姿の朱雀に乗った。再び、ひんやりとした風が頬を撫でる。
だが、回りはぼんやりと明るくなってきている。もう少ししたら夜明けだろう。少し陽が射してきて、目を細めた。
すぐに寮に着いたので、窓を開けて部屋に戻った。靴を脱ぎ、ベッドに降りた。
「…A」
朱雀は、いつの間に戻ったのだろうか。剣武魔神の姿で私の事を見ている。窓から顔を出すと、そっと頬を撫でられた。
ひんやりと冷たい手を当てられ、反射的に体がびくっとなる。片方の手もそっと差し出してきた。そして、両手で頬を包み込まれた。
寒いだろうと思い、手招きして部屋の中に入ってもらう。とりあえず、ベッドの上に座ってもらった。が、手は離さない。
冷たかった朱雀の手はだんだん熱を帯びてきて、じんわりと温かかった。また、私の胸がどくんどくんと高鳴ってきた。
朱雀は、私の目をじっと見つめる。私も、顔を包み込まれているので朱雀の顔を見つめる。その美しい、輪廻のような瞳に吸い込まれそうになる。
朱雀の顔が、どんどん近づいてきてるような気がする。鼻が、触れる。さらに胸が大きく高鳴った。まさか、このまま……
が、顔がそっと離れた。口には触れていない。なんだか安心したけど、そこで、ぽんと体を押された。気を抜いてたので、そのままベッドに倒れこんでしまう。
朱雀は、倒れこんだ私の上に乗っかってきた。一体何をするつもりだろうか。思考を停止したいが、停止したらなすがままにされてしまいそうだ。それは阻止したい。
「朱雀くん」
「A……」
そっと、体を寄せてきた。さあどうする。普段使わない頭を必死でフル回転させる。が、朱雀は、そっと私の顎をつかんだ。どうしよう。
が、途端に、窓から大きな音が響いた。何事かと思い見ると、阿修羅が窓の棧に腰かけている。不機嫌そうな表情をしている。
「お早うさん、Aと朱雀よぉ」
「あっ、阿修羅！？」
「阿修羅さん、ちょいと朱雀くんをどけてくれませんかね」
私の様子を見た阿修羅は、顔を思い切り歪ませた。わなわなと手を震わせ、私を指差した。
「…A、まさかお前朱雀とや」
ここで、阿修羅が何を言おうとしたのかを察した朱雀が阿修羅を強風で窓の外に飛ばした。朱雀も一緒に外に出た。
すっかりノびてしまった阿修羅を抱え、朱雀は一度窓の前まで来た。
「突然、悪かった。すまない」
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スプラMOMIZI(プロフ) - kirakirastar7さん» はじめまして。わー、ありがとうございます！！次回作は未定ですが機会があればまた作りたいです。 (2020年1月14日 16時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
kirakirastar7(プロフ) - 妖聖剣と高校生。とても楽しかったです(o^^o)次の剣武魔神夢、期待してます (2020年1月13日 21時) (レス) id: a25d14debe (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - カンコクさん» ありがとうございます(*´ω｀*) (2019年10月26日 20時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
カンコク - 続きだ早くよみたいです (2019年10月26日 13時) (レス) id: 7ac3401ee1 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - エンゼルフレンチβさん» コメントありがとうございます！朱雀かっこいいですよね〜、私は剣武魔神みんな好きです(*´ω｀*) (2019年10月13日 9時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
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