七 ページ7
.
『兄上ぇ』
鶴「一期、頼む」
一「しかし、」
『兄上えぇ』
鶴「一期、頼む！」
一「ですが、」
主から剣の内番服を受け取り着替えさせた鶴丸は、粟田口の部屋へ連れて行く。
そこに剣を置いて行こうとしても、泣きながら鶴丸に抱き付いて離れようとしない。
無理矢理剥がして託そうとしても、一期は良心が痛み手を出せずにいた。
燭「何やってるんだい？」
鶴「おぉ光坊いいとこに！ちょっと剣を持っててくれ」
燭「持つ？」
『兄上ぇ！』
鶴「俺は今から遠征なんだ。剥がすから抑えててくれ」
燭「あぁ、オーケーわかったよ、行ってらっしゃい」
鶴「助かる！じゃあな剣！」
『兄上えぇ！！』
燭「大丈夫大丈夫、ちゃんと帰って来るよ〜」
『あっ兄上え"ぇぇ！！』
野菜の入った籠を持って現れた燭台切に鶴丸が助けを求めると、あっさりと了承する燭台切。
鶴丸が剣の腕を持ち体から離すと、燭台切が籠を床に置いて剣を抱き上げる。
燭台切の腕力には敵わずあっさり抱き上げられた剣が、全く寄り添わず両手を伸ばして鶴丸を呼ぶも、鶴丸は剣の頭をひと撫でしただけで駆けて行った。
鶴丸の姿が見えなくなると大声で呼ぶことは辞めた剣だったが、涙は止まらず、力が抜けた両腕ごと燭台切が抱え直してあやす。
燭「大丈夫、鶴さんはちゃんと帰って来るよ。それまで少しだけ待ってよう」
『ぅ、兄上ぇ、』
燭「うんうん、まだ不安だらけだよね。でも大丈夫、みんな優しいよ」
燭台切にぎゅっと抱き着くまで落ち着いた頃、開けっ放しだった粟田口の部屋に入り改めて剣を一期に託す燭台切。
燭「それじゃあ僕は厨に行くから、一期くんよろしくね」
一「大丈夫でしょうか？」
燭「大丈夫大丈夫、お八つができたら呼びに来るよ。剣ちゃん、いい子にしてるんだよ？」
不安気に瞳を揺らして燭台切を見上げた剣だったが、燭台切も頭をひと撫でしただけで部屋を出て行った。
一「えぇっと、」
毛「〜〜〜っ可愛い！！」
『！？』
薬「あっばか！」
『、っふ、』
薬「あーもー離れろ毛利！」
毛「ふぎゃー！この小さい子めっちゃ可愛い！」
秋「いち兄、また泣いちゃいました…」
一「これは…夕餉まで大丈夫だろうか…」
包「、お菓子食べる？」
『っ、ぅ、兄上ぇ、』
信「どうする？いち兄」
一「どうしましょう…」
毛利が抱きついたことにより泣き出し、包丁が差し出したお菓子にも肩を震わせる剣に、一期は少し遠い目をした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
新参審神者(プロフ) - 咲くやさん» ありがとうございます* 仕事などの息抜きに更新していく為やきもきさせてしまうかもしれませんが、お付き合いいただけると嬉しいです(^ω^)これからもよろしくお願いします＊.° (2018年7月8日 0時) (
レス) id: edf31ffc2e (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2018年7月2日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
新参審神者(プロフ) - 夕月蝶さん» ありがとうございます！溺愛しすぎず厳しすぎずないいお兄ちゃんですよね…私もそう思います…(作者)w これからもよろしくお願いします♪ (2018年6月1日 15時) (レス) id: edf31ffc2e (このIDを非表示/違反報告)
新参審神者(プロフ) - 第一部隊さん» ありがとうございます！頑張ります(*ﾉ∀`*) (2018年6月1日 15時) (レス) id: edf31ffc2e (このIDを非表示/違反報告)
夕月蝶 - とても、面白かったです！ 剣ちゃん可愛いです！！ 鶴さん、いいお兄ちゃん！！ これからも、頑張って下さい♪♪ (2018年5月31日 21時) (レス) id: 4346033303 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：新参審神者 | 作成日時：2018年5月22日 17時
