十四 ページ14
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大「持ってきたぞ」
鶴「ありがとうな伽羅坊。お前らは広間に行っていいぞ」
貞「鶴さん達がここで食べるなら付き合うぞ？」
鶴「いや、俺だけでいい。多数になると余計に怖がらせそうだからな…」
そう言った鶴丸に従い部屋を出る二振り。
それを見送ると、腕の中にいる剣の腕をゆっくりと背中に回し、両手首を結ぶ。
鶴「剣、お前の為だ。許せ」
『兄上、？』
怖がる様子を見せるも兄にやられていることにより拒絶の色は見せない剣を膝の上に乗せると、自分の体と合わせて襷で固定させる鶴丸。
鶴「さて。
剣、食事だ」
『っ！』
今は食事を摂らなくとも、いつ食べ始めてもいいようにと食べやすく消化にいいものを剣のために用意していた燭台切。
鶴丸は粥をひと匙すくうと、無理矢理自由を奪った剣の口に入れ吐き出さないように押さえつけた。
『っん"！』
鶴「飲み込んだら離してやる」
『ん"んー！ん"ーー！！』
鶴「剣、飲め」
『ん"っ、ゲホッゲホッ』
鶴「よし、そうだ。それでいい」
『やめっ、兄上！嫌だ！！』
鶴「すまんがその頼みは聞けんな」
『嫌だあぁーー！！！』
咀嚼は難しそうだと粥に潰した梅干しや魚を混ぜながら同様に繰り返す鶴丸。
泣き叫ぶ剣の声は広間にまで届いており、事情を知らぬ者に主と薬研から説明があった。
貞「鶴さん…」
燭「食事は楽しくとってほしいけど、今は仕方ないね」
一「この叫びは…鶴丸殿もお辛いでしょう、」
剣の叫びを聞き鶴丸の心中を察した者たちが泣きそうになりながら、人の身を得たことを実感していた。
『う"、ゲホッ、う"ぅ、』
鶴「……こんなやり方しか思い付かなくて、すまんな、」
粥を半分食べさせたところで止め、襷や紐を解き剣を抱きしめ背中を撫でる鶴丸。
泣きながら脱力した剣は鶴丸を拒絶することはなく、飲み込んだものを吐き出すこともなかった。
鶴「剣、俺は驚きを求め行動しているが、今朝のような肝が冷えるものは違う。もう二度と、あんなことはするな。剣を襲った痛みは、食事をすれば起こらないそうだ。
俺らの怪我は主に刃こぼれが原因だから手入れをすれば治るが、人の身を得ている以上は人間と同じ生活が必要になる。
それを拒絶したり怠れば、今回のように予期せぬ不具合が起こるんだ」
解ってくれ、と努めて穏やかに諭した鶴丸に応えるように、剣は鶴丸の着物をギュッと握った。
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新参審神者(プロフ) - 咲くやさん» ありがとうございます* 仕事などの息抜きに更新していく為やきもきさせてしまうかもしれませんが、お付き合いいただけると嬉しいです(^ω^)これからもよろしくお願いします＊.° (2018年7月8日 0時) (
レス) id: edf31ffc2e (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2018年7月2日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
新参審神者(プロフ) - 夕月蝶さん» ありがとうございます！溺愛しすぎず厳しすぎずないいお兄ちゃんですよね…私もそう思います…(作者)w これからもよろしくお願いします♪ (2018年6月1日 15時) (レス) id: edf31ffc2e (このIDを非表示/違反報告)
新参審神者(プロフ) - 第一部隊さん» ありがとうございます！頑張ります(*ﾉ∀`*) (2018年6月1日 15時) (レス) id: edf31ffc2e (このIDを非表示/違反報告)
夕月蝶 - とても、面白かったです！ 剣ちゃん可愛いです！！ 鶴さん、いいお兄ちゃん！！ これからも、頑張って下さい♪♪ (2018年5月31日 21時) (レス) id: 4346033303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新参審神者 | 作成日時：2018年5月22日 17時
