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ガクンッと体全体が揺れた。
不自然な強張りとわだかまった気怠さ、極度に高ぶった神経により目は冴えているのに頭がぼんやりしている。これは。
「ゆめ、……白昼夢…？｣
寝てたんだとすぐに理解した。閉まったカーテンから透ける光がまだ夜ではないことを告げている。
いつから寝てたのか、この部屋は、記憶がない、起きないと。
しかし状況を整理したい、そんな気持ちに逆らって、溺れて陸に辿り着いたばかりのような早い呼吸と無気力、呆然に負けた私は再び寝ていたベッドに体を沈ませた。
危機感がないと怒られても仕方ない。寝そべりながら部屋を見渡してもやはり誰の部屋か分からず。自室じゃない。ゾムさんの部屋じゃない。家具類の配色がシックでどこか落ち着いた印象を受けるものの、縦長のガラスケースに飾られた戦車のプラモデルがどこか部屋主の子供心を映している。革張りのソファと低めの机。そこに置かれているのは…スーツと飲みかけのワイン？
「あ、」
ベッドで見つけた白と茶のツートーンの羽根。
「グルッペンさん？」
「起きたのか」
「っ！？」
弄っていた羽根が音もなく床へ落ちた。また一際強く脈打った心臓を押さえながら声の方を見ると、ドア枠に凭れていたのはやはりグルッペンさんだった。慌てて起き上がろうとする私を彼は手で制した。
「ああ、構わん。寝とけ。ゾムの部屋の前で倒れたお前をトントンが見つけてナ。俺のベッドを貸したんだ」
「…倒れてたんですか私」
「覚えてないんか」
頷くとベッドの端に腰かけたグルッペンさんが私の顔を見て小さく笑った。
「気付かなかった。口についてンぞ」
ついてる？言われてそっと口元を触ると少し硬くなったお米が指先についた。すぐにフラッシュバックしたのは夢の中でぞむくんに口移ししたおにぎりと彼の感触。
「なんで…」
あれは夢だったはず。分からないことがさらに分からなくなった。今朝のことを思い出そうとしてもあの夢しか思い出せないのだ。
「私はゾムさんの部屋の前で倒れてたんですよね？今、ゾムさんはいますか？」
「今日は日が昇る前から遠征に行ったゾ。聞いテなかったか？」
「初耳です」
ゾムさんが部屋にいなかったのは事実。じゃあどこまでが夢だったんだろう。
「疲労が溜まってたんやろ」
無い頭で一生懸命考え込む私の髪をグルッペンさんが撫でていった。
「夜になればゾムは帰って来る。それまで俺のベッドを占領しといてクれ」
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あまぎ(プロフ) - 瑞稀さん» わかります子狼ｿﾞｯｻﾝは尊いです…！甘えたくても口には出せずそっと夢主の背中に背中を預けるとか、そんな子供ながらの意地っ張りやプライドなんかを持ってて欲しいなぁと。本当に1等賞です花丸満点！こちらこそコメントありがとうございました！更新頑張ります！ (2021年5月18日 17時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - zmさぁ！！！！ん！！！うっ……可愛さ一等賞…ありがとございます。尊いです。更新楽しみにしております！ (2021年5月18日 11時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - bhさん» 動物園に赤ちゃんが溢れる季節になりましたので発作的に書いてみたネタとなります！絶対可愛いですよねぇ…ふわもふ子狼ｿﾞｯｻﾝ…警戒してる子が打ち解けてくれる嬉しさ…尊い…！bhさんいつも暖かいコメントありがとうございます！また読みに来てくださいー！ (2021年5月18日 7時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 続編ありがとうございます。z子供編とても好きです...獣の少年ってだけでもう... これからも更新楽しみにしてます。 (2021年5月17日 21時) (レス) id: 5ca24da818 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ | 作成日時：2021年5月17日 20時
