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「今日、俺...「誕生日おめでとう!!!あかーし!!!」!!!」
その時、赤葦先輩が話しながら部室のドアを開けた時、パーン!!とクラッカーの音と、皆からの祝福の声が、私達の耳の奥に響いた。
「....なんですか、これは.....」
「いえーい!!赤葦、ドッキリ大作戦!!せいこーーーう!!!」
「赤葦、誕生日おめでとう!!」
「これで赤葦も、18歳への禁断の大人の階段に進んだな!!」
「いや、赤葦は17歳だからな? まあ、木兎よりは大人だけどな」
「木葉!!なんだよそれ!!!」
「はいはい、ケンカしない!主役は赤葦なんだからな〜」
「早く、ケーキを食べよ〜」
「雪絵、主役は赤葦だって」
「まあ、とりあえず。赤葦さん、お誕生日おめでとうございます!」
「これ、皆からのプレゼントな」
部室内で、ケーキを持つ木兎さんに、クラッカーを鳴らしたレギュラー陣。
そして、いつもの日常会話になって行く。
見ていて、笑ってしまうが、赤葦先輩の顔はビックリしながらでも、途中からいつもの少しあきれた顔だが、私にはわかる。
「....皆さん。ありがとうございます。けど、もうこんな時間ですから、静かにしましょうね」
「こんな時でも、冷静な赤葦。ドッキリ、失敗だな木兎」
「なんだと!?じゃあ、やり直す!!!」
「ドッキリをやり直すとか、それはもうドッキリじゃねーからな」
「ふふ、そうですね。とりあえず、そのケーキのチョコ板に書いてある俺の名前にビックリですよ。
赤葦の葦が間違ってますよ。木兎さん、いい加減に覚えてください」
「え!? これじゃなかったけ!?」
「はは!まさかの、俺達がドッキリだな!いや、ビックリか!!」
「ふふ、本当ですよ。まあ、でもここまでやって頂き、本当にありがとうございます」
いつもの口調でも、少しだけ声のトーンが高く、何より笑顔が多い。
そんな、嬉しそうな顔を見て、すごく大切な事を思い出した。
さっきのでビックリしておめでとうが言えてない。
けど、今の状況で感動している赤葦先輩の顔を見て、そして何より、楽しそうなこの雰囲気を壊したくなくって、私は「赤葦先輩、お誕生日おめでとうございます」と、心の中で言った。
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作者名:言ノ葉 x他1人 | 作成日時:2017年11月20日 0時