私が恋をしたのは……【3】 (ページ10)

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___皆が城を出て行ってからというもの
私はできることを探してタカヒロさんやノゾムと
走り回っていた。

救護に使う物資を集めたり、
帰還した皆のために食料を集めたり

そんな時間が3日以上続いたある日、
やっと良い知らせがもたらされた。

ノゾム「A、皆がもうすぐここへ帰還してくるって！」

「っ、本当？よかった……ノゾム、私
皆のことを外まで迎えに行ってくるね！」

ノゾム「OK！気をつけてな！」

いてもらたってもいられずエントランスを抜けて
外に出ると、皆が帰還してくる姿が見えた。

手を振るために腕を上げた___
けれど…私はすぐにその腕を下ろす。

近づいてくる皆の姿が……あまりに疲れ果て、
そして全身が真っ赤な血で染まっていたから

門番兵1「いやはや……すごいお姿だな。
だけどさすが我が国の殿下たちだ、
今回もオブジェクト軍を退けるとは」

門番兵2「ああ、本当だな。心強いったらない」

…リューセイ様が血塗れで帰ってきたお姿を
見たことだってある

戦場に赴くことがどういうことかだってわかってた
だけど……っ

__目の前の光景があまりに衝撃的で
今回の戦いがいかに熾烈だったかを物語っていた。

目の前の光景に飲み込まれそうになっていると
門番兵の人たちが話す声が耳に入ってくる。

門番兵1「ん…？なあ、あれを見てみろよ」

視線の先には___タイガの姿ガあった。

タイガの姿を捉えた瞬間、強烈な違和感を覚える

タイガだけ血、1つ付いてない……

門番兵2「タイガ様だろ？なんでも10年前の
"血染めの薔薇の日"もお一人だけ身綺麗なまま
帰還されたらしいな」

門番兵2「噂ではジェシー殿下やリューセイ殿下よりも腕が立つんだとか」

門番兵1「あんなに美しい顔をして恐ろしい……
いや、頼もしいお方だな」