私が恋をしたのは……【3】 (ページ8)

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タイガ「それじゃ、A。行ってきます」
「いってらっしゃい、タイガ。"またね"」
タイガ「うん。"またね"」

タイガは一度だけ微笑むと、
手綱を引いて馬を走らせていく。

タイガの背中が遠ざかるほどに、
黒い不安が大軍のように胸に押し寄せる。けれど___

不安になっていたって現実は何も変わらない
…私はこの場所でできることを探して皆を待とう

この時の私は、タイガの不安をわかったつもりでいた

だけどタイガは私が想像する何百……いや
何千倍もの不安を胸に抱えていた。

……たった1人きりで。

闇が空を覆う頃、ロードサイド軍は国境付近で
オブジェクト軍と対峠。

__その戦況は苛烈を極めていた。

燃え盛る炎の中で、"高貴な野獣"たちは剣を振る

その姿はまるで、人間を捨てた野獣のようで
__オブジェクトの戦意さえも奪っていく。

ジェシー「リューセイ、後ろ…！」
リューセイ「言われずとも見えている」

リューセイは敵の姿を目視することなく
鮮やかとも言える仕草で剣を振る。

その瞬間、赤い薔薇のような血が宙に舞った

リューセイ「人の身を案じていると
自分自身がおかしくなるで」

ジェシー「ご忠告どうも」

トモヒロ「ははっ、戦場で兄弟喧嘩とは随分仲がええな？おっと__そう簡単に俺の背後を取れると思うなや？」

オブジェクト兵「ぐぁぁ……！」

トモヒロ「やれやれ、もう少し愉しませてくれへんかな、そうやないと暇つぶしにもならんからな」

コーチ「まったくなかなかしぶといなぁ
……おい、シンタロー大丈夫か！？」

シンタロー「俺は大丈夫だ。けど、けど……っ」

コーチ「……？」

シンタロー「戦いたくなんかないのに……
くそ、くそ、くそ……っ！」

コーチ「……シンタロー」

ホクト「…シンタロー、躊躇した瞬間、死ぬ。
今は迷うな」

シンタロー「わかってるよ！」

ホクト「わかってるなら__」