私が恋をしたのは……【3】 (ページ7)

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第16話ページ7

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コーチさんとタカヒロさんに
見送りの許可をもらい、私は急いで皆の元に
駆けつける。

そして出来るだけ多くの人に
無事に帰ってきて、と約束を交わす

……私との約束なんてつたないものだけど、
少しでも皆の命を繋ぎ止めるものになればいい

その時、風に揺れる蜂蜜色の髪を見つけた

「……タイガ」

タイガ「A…どうしたのさ」

「皆を見送りにきたの」

タイガ「そっか、君の笑顔とか言葉に
励まされる人間は多い…ありがとう、A」

ありがとう、と言って笑う目の前の人が
これから戦場に赴くのだと思うと、
胸が張り裂けそうになる。

だけど、私が不安になっている場合じゃない
だって皆の方がずっと大きな不安を抱えてるはず
だから

「タイガ、お願いがあるの」

タイガ「……？」

「どうか無事に戻ってきて。
タイガがいないと宮廷内が静かで落ち着かなさそうだし」

タイガ「ちょっと、それどういう意味？
まったく…Aはたまに本当に失礼なこと言うよね」

こんな時だからこそ、
あえて明るいことを口にしていたかった、
そして…タイガもそれにきっと気づいてる。

タイガは大きな瞳で私をじっと見つめると
高慢に笑った。

タイガ「大丈夫、このタイガ＝ティーグルは
必ず戻ってくるよ。だから君は大好きな本でも読んで
待ってなよね！」

「……うん、そうするね！」

___遠くで、出征の合図が聞こえる