私が恋をしたのは……【3】 (ページ40)

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第21話ページ40

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馬の手綱を引き、
夜に染まる荒れ地をひたすらに駆けていく。

ホクト「…っ、急ぐよ。俺たちが間に合わなかったら
タイガの命は消える」

「……っ、はい！」

お願い……。間に合って…！

____時は、遡り。

タイガがオブジェクトに向かってから数時間後
私はタカヒロさゆに呼ばれて円卓の間に急ぐ。

そこで聞かされたのは
思わず耳を塞ぎたくなるような真実だった。

コーチ「結論から話す、あちらさんはタイガのことを
城に迎え入れる気は__ゼロだ」

え……っ、ちょっと待って

「王子としてオブジェクトに帰ってきてほしいっ
ていう要請のはずですよね？」

「なのに迎え入れる気はないって
一体どういうことですか……っ」

トモヒロ「付け加えるとオブジェクトの宮廷内で
働いてる従者たちはそんな話、一切聞いてないみたい
やで？」

聞いてないって……
まさか………そんな………っ

足の裏から真っ黒な不安が這い上がって
どんどん私を飲み込んでいく。

リューセイ「つまりオブジェクトは…何らかの交渉事を有利に運ぶため」

リューセイ「もしくは戦争を仕掛けるための駒として
あいつを手元に呼んだ、ということになるな」

ジェシー「下手をするとタイガは___
オブジェクトに接触した瞬間、殺される」

……タイガが、殺される？そんな……

無情な真実を前に目の前が真っ暗になりそうに
なるけど、ぎりぎりのところで踏み留まる。

っ、落ち着け。
絶望してたってこの状況が変わるわけじゃない

「オブジェクトなタイガのことを駒として
使おうとして考えていたとしても、すぐに殺そうと
するかな……？」

コーチ「タイガも言ってたが、あいつは曲がりなりにも王族だ。殺せば王族殺しになる」

コーチ「王族殺しってのは各国への信用を
失堕させる重罪だからな」

真っ暗な暗闇の中に、一筋の光を見た気持ちになって
視線を上げた瞬間、無機質な声が鼓膜を揺らす。

リューセイ「露見するから罪は罪となる。
つまり露見しなければ罪は無と同じや」