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身体をそっと離して、
私は目の前のタイガの瞳を見つめ
キスをしたばかりの唇で言葉を紡ぐ。
「タイガ。私はあなたが好き、本当に……
本当に、好きなんだよ」
タイガ「………」
「ベルとして私はあなたのことをそばで見続けてきた
それで私はいつの間にかタイガに惹かれてた」
世界で一番カッコ悪い告白かもしれないけど
言葉を止めることはできない。
「ねえ、タイガ。あなたは私が心の底から
好きになった人だよ。だから____」
額を、こつんと重ね、視線を合わせる。
「たとえタイガ本人でも、
私の好きになった人を否定することは
絶対に許さないんだから」
タイガ「………！」
衛兵「……タイガ様、A様、もうお時間です」
たったの3分という無情な時間が
私たちの背中を追いかけそして捕まえる。
これだけは。これだけは最後に伝えないと……っ
「っ、ねぇ、タイガ。
前に私と出逢った日に交わした約束、覚えてる？」
「もし心を奪われたら永遠に相手のものになる
っていう約束」
タイガ「…忘れるわけ、ないでしょ」
「あれは私の負け。
だって、タイガにこんなにも心を奪われてるんだから」
「約束通り、私は永遠にタイガのものになるよ。
だから……」
だから……っ
「お願い、必ず戻ってきて。
それでちゃんと永遠に私をタイガのものにして…っ」
タイガ「……A」
ぎゅっと抱えていたメモ帳を
タイガの胸に押し付けると馬車の扉が
バタンと閉まる。
そして、タイガを乗せた馬車はどんどん遠ざかり
……やがて見えなくなってしまった。
・
揺れる馬車の中でタイガは
Aに手渡されたメモ帳をそっと開く。
そこに書かれていたのは………
____
5月1日。
タイガが自分の出生について話してくれた。
7月22日。
タイガはからかわれてるって思ってるんだろうけど
皆タイガのことが大好きなんだろうな。
11月11日。
タイガと一緒にいると、
数えきれないほどに良いところを見つけられる。
いつかタイガに1つずつ教えられたらいいな。
_____
タイガ「……なに、これ」
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作者名：きょうもち | 作成日時：2020年12月15日 18時
