私が恋をしたのは……【3】 (ページ28)

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タカヒロさんと座学をしていたけれど
その途中で急に部屋で待機するように命じられた

部屋で待っている内に、
気づけば窓の外に広がる空は色を変えていた。

……部屋で待機しろ、
なんてここに来てから一度だってなかったよね？

奇妙なほどに宮廷内が静まり帰っていることもあって
なんだか妙に落ち着かないでいると____

部屋の扉がノックされた

……っ、もしかしてタイガかな？

扉に駆け寄り急いで開けて
部屋から1歩足を踏み出すとそこにいたのは…….

シンタロー「A、急に部屋訪ねてわりー」

シンタロー「っ、Aには後できちんと伝えるって
タカヒロが言ってたけど、いてもたってもいられなくて」

……こんなに慌てたシンタロー、見たことがない

「落ち着いて、シンタロー。
何が起こってるか話してくれる……？」

シンタローの喉がこくりと動いて、それから______

シンタロー「オブジェクトから書簡が届いて……」

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シンタローから今、起こっていることの
全てを聞いた私はタイガの元へと走っていく。

……タイガが明日の朝にオブジェクトに向かうだなんて

タイガの部屋の前で足を止めて、
扉をノックするために手を上げたけれど、

その時間さえも惜しくて、そのまま扉を開けた。

「タイガ……っ」

タイガ「……A？」

タイガの足元には無造作にトランクが置かれていて
本当にオブジェクトに向かうつもりなんだということを
嫌でも自覚させられる。

まるで時間が止まったように視線が絡まって
いたけれど、先に逸らしたのはタイガの方だった

タイガ「ノックもしないで部屋に踏み込んでくるなんて
君らしくないんじゃない？」

「…らしくなくなるのは当然でしょ
タイガがオブジェクトに向かうって聞いたんだから」

タイガ「ああ、聞いたんだ
なら、悪いけど出て行ってもらえない？
見ての通り支度で忙しいんだよね」

……どうして、こっちを見ようとしないの
……どうして

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焦燥が私を突き動かし、
気づけばタイガの腕を掴み____