・ ページ17
・
タイガがいるとしたら……ここしかない気がする
誰もいないキッチンは静まり返っていて、
その空間を月明かりだけがそっと照らしている。
寂しさすら覚える空間の中にその人の姿はあった。
……やっぱり
タイガは床に座り、膝を抱えて俯いていた。
近づいても、タイガは顔をあげようとしない。
私は隣にしゃがみ、そっと声をかけた。
「……タイガ？何かあったの？」
タイガ「………」
また、だ……
絶対に私の声は届いているはずなのに、
タイガはまるでわざと耳を塞いでいるかのように
反応してくれない。
1人になりたい夜ガあることも、知ってる。
私だって、そういう気持ちの日はあるから。
だけど……どうしてだろう、
今夜のタイガは絶対に、絶対に、これ以上1人に
しちゃいけない気がする
このままこの場から立ち去ってしまったら、
なんだか2度と前みたいに笑ってくれなくなってしまう
……そんな、悪い予感のようなものが
心の中で警鐘のように絶えず響いていた。
その悪い警鐘に突き動かされるように、
私はタイガの肩に手を伸ばし強く揺すった。
「ねえ、タイガ……っ。タイガ？」
タイガ「…今は、君と話す気分じゃない。
……悪いけど……あっち行って」
……っ
明確な拒絶をされて怯みそうになるけど
ぐっと踏みとどまる。
「嫌だ、何を言われてもここから離れない。
タイガが私と目を合わせてくれるまで……」
「話してくれるまで……絶対に、離れない」
タイガ「……俺は」
「タイガ……？」
タイガ「俺……は……っ」
弾かれるように顔を上げて、
世界中の哀しみをかき集めたような声で
タイガは言葉を放った……。
・
タイガ「君に気にしてもらう資格なんてない…！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きょうもち | 作成日時：2020年12月15日 18時
