81 改めて【ノア】 ページ35
昨日はエライことをしてしまった。
いくらホワイトが何も感じていなくても女の子を部屋に連れ込んで休ませるなんて…
はぁ、やっちまった。
それにさっきだって手、とか繋いでしまったし
「どうしたんだい、何か考え事？」
昨日の行動を恥じんでいると
彼女の兄、ブラックに顔を覗かれる。
「あ、うん…まぁそんなとこかな？」
適当に相槌をうつ。
「ふーん、ホワイトのこと？」
「え」
な、なぜ分かる
驚きで声が出なかった。
「あ、図星かな？」
俺ってそんなに顔に出てたか？
「なんか昨日はごめんね
ホワイトがお世話になったみたいで」
「いやいや俺のただのお節介だし」
あのまま風邪を引かれても困る。
「いや、そんなことないよ。ありがとう
そういえば紹介していなかったね彼女はマリー」
「あ…えっと…は、初めまして…マリーです」
さっきからずっとブラックの後ろに隠れていた少女はマリーというらしい。
可愛らしいお人形さんのような顔立ちをしていた。
「初めまして、ノアです」
俺も自己紹介をすると
マリーさんはぺこりとお辞儀をして
またブラックの後ろに隠れてしまった。
「ごめんね、彼女は人見知りなんだ」
「そっか、
そういえば皆を呼びに来たって言ってたけど」
「そうそう、朝食の用意ができたから呼びに来たんだ」
「わかった、食堂はこっちかい？」
俺が指を指した方向を見てブラックはクスッと笑った。
「いや、違うよ食堂はこっち」
ブラックは俺がさした方向とは
反対の方向に歩き出した。
ああ、俺って本当に方向音痴だなと改めて実感した。
そして俺はブラックに置いて行かれないように後ろについて行った。
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