79 おはよう【ブラック】 ページ33
昨日のマリー…なんか変だったな。
あれからマリーの体調を気遣い、部屋に戻って寝ることにした。
寝たは寝たでいいものの…昨日の言葉の続きが気になって仕方がない。
そう考えながら朝食を作っていると厨房の扉が開く。
「おはよう、ブラック」
ひょっこりと半分だけ顔を覗かせる。
僕の大切な妹。
「おはよう、ホワイト。昨日お墓にいなかったよね?」
「うん。寒いだろって言われてさ、ノアの部屋で寝ちゃった」
「えっ」
「うん?」
いや、ノア君はとってもいい子だと思うけど、その、えっと…。
笑っておく。
「そっかー!風邪ひかなくて何よりー!」
「ブラック、嘘」
「う゛」
「私の中にきた」
ごめん…そう言う僕にホワイトは何もかも見透かしたように言った。
「私は、
そうホワイトは笑った。
「…ごめん。僕のせいで君を…」
「聞き飽きたわ。さ、ブラック、朝食作るわよ!」
そうホワイトに流されて僕と僕の可愛らしく、元気な妹と朝食を作ったのです。
もちろん、ホワイトは不器用で。
「焦げた!あぁっ、どうしよ…」
「大丈夫さ。僕が食べるよ」
「…ブラック…!あ、マリー」
「ひゃっ」
何故妹が彼女に気がついたのか。
それは僕のせいで歩むことになった道にあり、だが妹はそれを決して後悔していない。
「お、おはよう…」
「うん!あ、私行くとこあるから!」
そう、マリーが来たと思いきやホワイトはマリーにウインクをして出て行ってしまった。
「なんか、ごめんね…私のせいで」
「ううん。ホワイトが出て行って一人になるよりは良かったよ」
「そっか、ねぇ…聞いていいかな」
「?うん」
マリーは赤い顔をしながら僕に言った。
「自分を守るために、逃げるのって…最低、だよね?」
「…」
【自分】を【守る】ために…
「最低じゃ、ないよ。十分、僕もそうだし…」
「ホワイトちゃんの事?」
「うん。僕は逃げようとしてしまった。戦う前に。なのに、ホワイトは……ね」
ようするに、彼女は勇敢なのさ。
そう言って笑った。
「あ、良かったら手伝ってくれる?朝食の準備」
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