70 僕の妹は【ブラック】 ページ24
マリーに言われて廊下を走る。
「ホワイト!」
ホワイトの髪が月に照らされて綺麗で。
僕の知っている、ホワイトじゃないくらい綺麗で。
涙
の
後
「ホワイト…?」
「え…?あぁ、ブラック」
ふわりといつもの笑顔を浮かべるホワイト。
僕は我慢できなくてホワイトを抱きしめた。
「ブラック?」
「ごめん、僕が、悪い。全部を君に押し付けて」
「いやね、前も言ったでしょう?そうしないように私がいるんだから」
「…うん」
敵わないよ、君には。
その、笑顔には。
「ブラック、私は大丈夫…とは言い切れない体になってきたけど。貴方を救うよ、ブラック」
「…ありがとう。僕も、必ず君をこの絶望の渦から救ってみせるよ。ホワイト」
「ばかね!私はブラックさえいれば絶望なんてへっちゃらよ」
そう笑うホワイトの涙の跡を拭う。
ホワイトは、ありがとう。そう言って僕の胸に顔を埋めた。
「僕の妹は」
「うん」
「勇敢で、元気で、明るくて」
「うん」
「笑顔が素敵で、でも」
「うん」
「沢山のモノを背負っています」
「そんな」
「だけど、頑張っています」
「…」
「泣き虫でもなく、甘えたがりでもない」
「っ…」
「そんな、僕の愛する妹です」
「私も」
そう一言言ってホワイトは僕に抱きついた。
「ブラック。貴方は私じゃないんだから」
「…」
「早く、マリー達の所へ行って」
「…何かあったら」
「すぐに呼ぶわ。お兄ちゃん」
「あぁ、兄妹」
そう会話をして僕は部屋を出た。
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