らくだい魔女と幼なじみの約束 part7

番外編・テレパシー ページ39

キースside

　ふふっビックリした？

　僕が語ることなんて滅多にないからね。

　…さて。

　今日は僕のお話だ―――――。





　お城で一人、本を読んでいた時だったっけな。

　…ある男からテレパシーが届いた。

　黒の国の王子ってだけで恐れられている、この僕にテレパシー？

　驚いた。

　でもすぐにそのテレパシーが誰からのものなのか分かった。

　テレパシー。言葉を交わさなくても、ある一定の距離ならば自分の思考を相手に伝えることができる。

　一つため息を吐いて、本をパタンと閉じた。


　「何だい。君の方からテレパシーだなんて珍しいね。」


　『…したくてしてるんじゃねぇよ。』


　そんなちょっと不機嫌そうな声に思わずふふっと笑ってしまう。

　ホント、コイツは僕に対して敵意むき出しだ。

　「で？何なの？僕に用があるんでしょ。」

　そしたら、彼は戸惑いもなくハッキリ答えた。


　『パーティには連れて行かせない。』


　一瞬耳を疑ったよね。

　「…何言ってるの？」

　さすがに声が固くなった。

　当たり前だ。…これであの子を諦めようと思っているのに、そのチャンスまでなくなろうとしているんだから。

　この機会がなくなれば、僕は諦めるつもりはない。

　それを承知の上で言ってるのだろうか。

　「…君はあの子を諦めるってこと？」

　『諦める？バカじゃねぇの。違ぇよ。』

　すると…彼らしくない声で彼らしくない真剣な言葉を紡いだ。


　『諦めるつもりも、負けるつもりもない。…それだけだ。』


　…本当に君は面白い事を言う。

　事実も根拠も、証拠も。何もない癖に。

　だけど彼の言葉には『自信』がある。

　しかも彼は有言実行ができる。だから僕はいつも負けてしまう。


　―――何もない癖に彼はいつも僕の想像していることを覆してくるんだ。


　「…分かったよ。パーティには参加しない。諦めるつもりもない。」

　そう一言言って閉じた目を開いて前を真っ直ぐに見つめた。

　「君が言った事だ。もう後にも先にも引けないよ。…僕に諦めるチャンスをくれないのだから。」

　それくらい許してくれないとこっちは大迷惑だ。

　『…そうかよ。別にいいけど。』

　そしたら彼の声も強張った。


　『…俺がキッパリ諦めさせてやる。』


　それ以降、テレパシーは聞こえなくなった。


　彼には敵わないよ。もう諦めたいぐらいだ。

　でもねぇ彼がそう言ってくるのなら仕方ない。

　「もう少し頑張るか。」

問題　〜フウカ〜→←また、会おうね。

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す