らくだい魔女と幼なじみの約束 part7

嘘、ついちゃった☆ ページ19

フウカside

フ「っはぁ…。」

　走る足を止めてチトセの腕を離す。

　大きな玄関まで来たところで後ろを振り返った。

　…アリスたちは追っかけてきたりしてないよね？

　と。

チ「…何がしたかったんだよ。」

　不機嫌トーンのチトセがムスっとしてあたしを見る。

　あははと苦笑いしてあたしはバッと頭を下げた。

フ「ごっゴメンっ！べっ別に恨みがあったとかじゃないよっ！」

　…あたしがこうして頭を下げてチトセに謝ることなんて滅多にない。

　まず、謝ることもないけど←

　でもなぜ謝っているのかと聞かれれば。

フ「う、嘘ついたのは悪かったなぁって思ってるけどさぁ…」

　嘘をついてしまったから。

　自分の手を合わせて目を固く閉じて、ゴメンなさいポーズをとる。

　チトセは呆れながら早速ここぞとばかりにドバドバ言ってきた。

チ「もっと他にあっただろっ！てか何で寄りにもよって俺を巻き込むんだよ。そもそもなぁ、お前は考えないからそーゆー事になるんだって！」

　…当然こう言われて腹が立たないわけもなく。

フ「黙って聞いてればさっきから何さっ！しっかたなかったって言ってんだから『ハイハイ分かりましたー』でいーんですっ！それ以上何にも言わなくていーのよっ！」

　そりゃ、ちゃんとケーキを『自分のしか』食べなかったチトセを恥ずかしい人にしてしまったのだから悪いとは思ってるよけどさっ！

　そこまで言ってハッとする。

　いけない、今回は…今回だ・け・は！…あたしが悪かったのだから。

フ「と、とにかく…ゴメンなさい。」

　視線を落として口を尖らせつつ、渋々嫌々チトセに謝った。

チ「…珍しいな。」

フ「悪かったわね、珍しくて。」

　そう言ってギッと睨んで今までの経緯を話す。

フ「アリスがあんな悲しそうだったから…どーすればって思ったらあんな事しか浮かばなかったからつい、言っちゃった。」

　アリスが…皆が笑うといったら、なぜかは分かんないけどあたしとチトセのケンカで。

　後で怒られるなぁって覚悟してたけどさぁ…チトセなら許してくれるかなって思った。

　幼なじみだし…なんだかんだ言っていつも許してくれるから。

　あたしたちの関係は腐れ縁の仲だってチトセは言っていて。

　口では言っているものの…本音はいいのかなって思うところもある。

　腐れ縁なんて嫌。だけどこの関係を続けないと離れて行っちゃう気がする。

　ま、関係を続けたところで離れて行っちゃうんだろうけど。

背中を押した声→←とぼけるなよチトセ

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