渡さない ページ41
フウカside
フ「時間がないって…まさか、呪いのせいっ?」
声を上げれば、ギュウと強く抱きしめられて、心が暴れる。
キ「…違うよ。」
キースの声に、少しだけホッとする。
あたしをかばったせいでかかった呪いで、もう死んじゃうのかと思ったけど…それはないみたいだから、ちょっと安心。
でも、この抱きしめられる状況には慣れてないからもう心臓は壊れそう。
フ「っあ、あの…こーいうの慣れてないから…。」
最後らへんなんか、もう消えかけの声だったけど。
ギュッと目を閉じて呟いた。
そして、あたしはキースに言わないといけないことがある。
好きって言ってくれたのの、返事だ。
直立不動のあたしを抱きしめるキースに口を開く。
フ「それと、あたしね、言わなきゃ、いけないことが、あって……」
小さい声でそう言っている最中。
「…盗み聞きはよくないよ。青の城の王子。」
キースの声が突然鋭く尖って、すぐに言うのをやめた。
「…悪いが。」
そう言う声がして、ハッと気づいた時には。
「お前に、コイツは任せられない。」
あたしの目の前に広がる、幼なじみの背中。
フ「チトセ、何で…。」
ポロッと自然に出た言葉に、慌ててパッと口を押さえる。
どうして、ここにチトセが。
目を見開いて、固まるあたし。
チトセはキースを睨みつけたまま、何も言わずにいる。
キ「…ぐずぐずしてられないから。君とは違って。」
チ「……黙れ。」
いつもの数倍力んだ声に、あたしもビビった。
なんかチトセじゃないみたい。
それくらい怒っているのが分かるけど…。
何で怒る必要があるのかは、全く分からない。
考えてる内にチトセの手があたしの腕を捕らえる。
フ「ちょっ、チト…」
チ「絶対」
あたしをよそに、目を細めてキースを睨んだ。
チ「フウカは、渡さない。」
チトセの言葉に、あたしは驚きでチトセを見つめたまま突っ立つ。
え…。
キ「…やっとか。」
そう呟いたキースはあたしたちを見て薄く笑った。
ハッとしたあたしはキースに向かって声を上げた。
フ「ま、待ってキースっ!あたし言わないといけないことが…。」
するとしーっと人差し指を自分の口元に当てたキース。
キ「今は、返事いらない。もっとよく考えて欲しいし。」
チトセからあたしに目を移して。
キ「…いい返事を待ってるから。」
そう言ってキースは夜の空に溶け込んでいった。
言いたくない理由→←王子サマは『冗談』に似た『本気』がお好き。
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カメレオン(プロフ) - お久しぶりです元・ケイのカメレオンです。お陰様で10,521 hit頂いておりますありがとうございます…!念願の10,000hit越えで嬉しい限りです。これからも宜しくお願い致します^^/ (2021年9月12日 10時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - もう続編!?最後らへんはなんか、意味不明ですけど…これからも見ていってください! (2020年3月9日 13時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - ゆずさん» やったーっ!じゃ、早速よろしくね〜♪ (2020年3月8日 10時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - お友達になっても、いいんですか!?こんな素晴らしいお話が書ける人とお友達になれるなんて、夢みたいです!私でよければ、是非ともよろしくお願いしますO(≧∇≦)O (2020年3月8日 9時) (レス) id: f26ba947fc (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - ゆずさん» ありがとー!!良かったらお友達になりませんか?なれたら嬉しいです(^○^) (2020年3月7日 23時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2020年2月24日 0時