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フウカside


 ――――遠のいていた意識がはっきりし始める。

 周りが明らかに静かすぎて、耳が、全神経が、いつもより敏感に感じる。

 ゴロっと寝返りを打って、もう一度寝ようとした時。

 「…いい加減起きろ、この遅刻魔。」

フ「はっ!?」

 突然の声にガバッと起き上がる。

 何、何。何の声っ!?

 バッと慌てて隣を見れば、こっちを見てシレっとしているチトセ。

フ「…何だ、チトセか。…閻魔大王かと思った。」

 そう言って頭をかくと

チ「バカなのか。ってか、そのぐらいの考えの方がいーんじゃね。遅刻魔ってのはあってんだし。」

フ「あのね。遅刻魔って言うけど、アンタも相当だからね。」

チ「俺を巻き込むな。」

 つまらない言い合いをしていて、ふと気づく。

 …ディガードは?

 見回してみても、辺りには誰もいないし…。

フ「…ねぇ、ディガードは?」

 あたしがそう聞くと、チトセはあたしの顔を数秒見つめて空を見上げた。

チ「……倒したって言っていいのか、な。」

フ「ええええええっ!?た、たおっ……。」

 スゴっ!

 あの『伝説の最強悪魔』相手に勝っちゃったワケっ!?

フ「凄いじゃんっ!一人で倒したんでしょっ?ホント、凄いよっ!」

 一人でピョンピョン飛び上がる気持ちで、叫んだ。

 やっぱ、ヒーローだね。チトセは。

フ「さすがじゃん。ま、あたしなら余裕だったよね〜っ!」

 な・ぜ・か、もしもの話をして自慢げに胸を張るあたし。

そんなあたしをずっと見続けていたチトセはハッと鼻で笑う。

な、何で鼻で笑うのさっ!?

すると、急に真顔になって

チ「…ありがとな。フウカのお陰だったカモしれねー。」

と珍しく素直になっている。

突然の変わりように、動揺するしかないあたし。

え!?何、突然。

照れるじゃんか…。

フ「な、何さ、止めてよ。何か、ちょっとだけ…照れるじゃん…!」

きっとあたしの顔は真っ赤だ…。

照れてんの?と意地悪そうに笑うチトセに腹が立ったあたしは、決意した。

そっちがその気ならあたしだって、負けない。

フ「…でも、さ。ちょっとだけ…。」

小さくぼやくあたしにチトセが何?と聞いてくる。

フ「ちょっとだけ、か、カッコ良かった…。」

勇気を出してそう言って、顔を上げた。

…驚いた。

何で、チトセが。

フ「…何で、照れてんの、よ…。」

バカ。

そんな真っ赤にしてたら。



こっちがもっと照れるじゃんか。

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設定タグ:らくだい魔女 , フウカ , ケイ   
作品ジャンル:ファンタジー
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/  
作成日時:2019年9月16日 18時

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