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チトセside

チ「っフウカっ!?」

 力なく倒れこむフウカを何とか支えて呼びかける。

 …俺は怒りで我を忘れていた。

 それが、魔法にも表れていたらしく。

 結果的には、フウカまでも巻き込んで苦しませていた。

 ホント、俺はダメな幼なじみだ。

 多分、フウカが今こうなってるのもきっと俺のせい。

チ「…ゴメン。」

 力を入れ直し抱きしめると、こんな細かったっけと感じた。

 何やってんだ。

 俺が守るって決めたのに。

 守られてるのは、俺の方だ。

 ふわりと昔から変わらないフウカの匂い。

 ハァと溜息をついてそのままジッとしてると。

 ――――ピッ――――

 俺の頬を何かがかすめていった。

 お蔭で俺の頬には一筋の血の跡が残る。

 顔を上げれば。

デ「……お取込み中のとこ、ゴメンねなんだけどさ。…僕のこと忘れてなぁい?」

 ディガードが小さく尖った薔薇を片手に微笑んでいた。

 そうだ、俺はまだコイツと勝負の決着をつけてない。

チ「…嫌でも忘れられねぇよ。」

 そう呟いて、そっとフウカを横にさせた。

 安心しているのか、だいぶ気が抜けたように寝てるフウカ。

 俺のせいで危険な目に合わせた。

 それでも、フウカは呼び続けてくれていた。

チ「…本当にお前には敵わない。飛んだお人好しだな、お前は。」

デ「ねぇ、もう良くない?そろそろ決着付けようよ。」

 そんな声が聞こえて、立ち上がる。

チ「…そうだな。」

 そしたらまた、右頬に這い上る感覚がして。

 …龍が張り付いているのかもしれない。

 自然と拳を作って強く握りしめた。

 今度は、自分で自分を制御しないといけない。

 振り返り、ディガードを睨みつけた。

デ「…へぇ…。君、自分をコントロールできるの?」

チ「…するしかねぇだろ。それに。」

 顔だけ背けてフウカを見る。

チ「今度は守らないといけないものもあるから。」

 そう言うと、ディガードは怪しく笑った。

 …でも、前ほど余裕があるようには見えない。

 今ならいけるかもしれない。

 確信なんてない。

 でも、逃げる理由もない。

 ただ、真っ直ぐ突き進むだけ。

チ「俺が、お前を倒す。」

 アリスでも、ユウでもない。

 かといって、他の皆でもない。

 倒す権利は俺にある。






 ―――――頑張ってね、チトセ―――――






 どこからともなく、聞こえたその声に応えるように。

 俺はディガードに哀れみの微笑みを浮かべた。

19→←あえて『17』にした理由。。



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設定タグ:らくだい魔女 , フウカ , ケイ   
作品ジャンル:ファンタジー
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/  
作成日時:2019年9月16日 18時

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