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あたしが、あたしの力で。 ページ14

フウカside

 視界がグラグラ揺れて、目の前がぼやける。

 なのに。何で?

 あたしだけこんな気持ちにならないといけないの?

フ「っねぇっ!…どうして、何も、言わないの…」

 ここまでしても、チトセには何の反応も現れない。

 …もう、いい。

フ「…分かった…。チトセがそういう気なら、あたしだってそれなりのコトするから。」

 込み上げる気持ちを押し殺して、腕を上げる。

 チトセがなんにも反応してくれないのなら。

 …あたしにだってそれなりの覚悟はできてる。

フ「『風よ…』」

 そう呟くと同時に大きな風があたしの髪を、服を舞い上げる。

 ―――――ゴォォォォォッ!

デ「……何するつもり?」

 ディガードの落ち着いた声がして、あたしは一瞬揺れた。

 けど。

 一度決めたことは、必ず実行する。―――それがチトセだから。

 同じ方法でやってやる。

フ「…きっと今のチトセは正常じゃない。」

 分かってた。ホントは。

 でも、あたしの言葉で、あたしの気持ちで、どれだけチトセの心に響くか試してみたくて。

 だけど、チトセの心には何も響かなかった。

 あたしが何言っても、何にも反応しなかったのが証拠。

 じゃあ、あたしがやるべきことはただ一つ。

フ「…あたしの魔法で、限界までチトセを追い詰める――それがあたしの最終手段。」

 ――――もし、さ。俺が変なコト言い出したら。

 だいぶ前、急にそんな事言い始めて思わず吹き出して笑ってしまった時。

 おい、笑うなよと横目で睨みつつ

 ――――力ずくで、ぶつかって来いよ。

 って言ったんだ。

 だから。

フ「っあたしは…力ずくでぶつかって砕けてっ…アイツを助けなきゃなんないのっ!」

 チトセからそう望んだのだから。

 砕け散るまで限界を超えてやろうじゃないの。

 突き立てた腕にもう一度力を入れ直して

フ「『銀の城のフウカが命じる』…っ!」

 固く目を閉じて、そう叫ぶとより一層風が強くなった。

デ「ふーん…。じゃ、僕の力も貸してあげるよ…。」

 ディガードの悪魔の囁きが聞こえて、ヒュルッ…と何かが近づいてくるのが分かる。

 そんな、もの…っ!

フ「い、いらないっ…!!!!」

 ドンッと跳ね返し、ますます力を強めていく。

デ「ハ…ッ?」

 さすがに拒絶されるとは思ってなかったのか、戸惑う声が聞こえる。

 あたしが、あたしの力でチトセを戻す。

 誰かに頼ろうなんて、卑怯なコト絶対したくないっ!

フウカvsチトセ→←何か言ってよ。



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設定タグ:らくだい魔女 , フウカ , ケイ   
作品ジャンル:ファンタジー
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/  
作成日時:2019年9月16日 18時

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