ありがた…迷惑。 ページ14
フウカside
あたしは悪い癖で、マイナスな事を考えてしまうと自分の世界に入り込んでしまう事がある。
それは時に、落ち込んでいるように見えてしまうことも…無きにしも非ずだ。
・
『異色の髪』というワードに思わず表情筋が固まり、気まずくなってすぐに頭を掻いて苦笑いを浮かべた。
と、
「異色の、何だよ。」
突然聞こえた一言に「ん!?」と驚いて目線を上げれば…眼光の鋭いチトセがいて。
チ「コイツが金色の髪してて悪ぃことでもあんの?」
転校生に何ガン飛ばしてんだコイツ、とか考えた直後のチトセの言葉に、原因はあたしだという事に気付く。
小さい頃からいつも、髪の事で悩んでたあたしを助けてくれてた幼なじみ。今でも忠実にそれだけは変わっていない。
まぁ…ガンを飛ばされた方からしてみれば「あ゛?」ってなるのも当然で。
ユ「んだよ、お前。別に気になったから聞いてるだけだっつの、悪気はねーよ。」
そう言って負けじと睨み返すユウに、顔が引きつった。
転校初日から揉め事勃発なんて望んだことじゃないはず。
ので、あたしは勿論…アリスちゃんも突然の出来事に戸惑いを隠せていない。
チ「悪気なかったら何言ってもいいのかよ。」
ますます神経を尖らせて、低く唸るチトセは珍しくもあたしのことを考えてくれていたようだ。
んー……とっても、ありがた迷惑なんだけど←
クラス内も「何何?」「喧嘩ー?」とか言って沢山の視線が集中している。この際、髪の事よりつまらないことで喧嘩が始まりそうなことの方が、正直言って恥ずかしい。
フ「あ、あの、もういーから。」
声を上げてそう言ってみるけど、二人の耳にいたいけなあたしの声は届いていない。
とはいってもココで引くわけにいかず、睨み合う二人の間に割り入って努めて笑顔でチトセに訴えた。
フ「チトセクン、全然大丈夫だから。」
アンタにしては珍しいね、あたしの事をそんな風に守ってくれるの。
(…トキメイちゃったじゃん)
不意に生まれた照れ臭さを心の中にひた隠して「あたしめっちゃ元気」とガッツポーズをキメて優しーく言う。
が、その後返ってきた言葉に…一瞬で胸のほとぼりも冷めていった。
チ「お前のためじゃねーよ、俺が腹立ってるから言ってやっただけだ。」
『お前のためじゃねー』『言ってやっただけ』。
虫唾が走る単語がいちいち胸に刺さり、体の熱が沸騰するような怒りに見舞われた。
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爽(プロフ) - お久しぶりです元・ケイの爽です。お陰様で40,131 hit頂いております、いつもありがとうございます((これからも宜しくお願い致します…! (2021年5月19日 21時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 皆さんお久しぶりですケイです!!なんと35.498hit頂いております。非常に感激です。これからもご贔屓の程よろしくお願い致します。 (2020年7月13日 17時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございますっ!!!!本当に嬉しいです! (2020年5月22日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - お待たせしました。「イベント参加者様の作品をアドバイスさせて下さい!」と言う作品に書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです!それと、右の☆をポチらせて頂きました。 (2020年5月22日 15時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - アイリさん» ありがとー!ちょーうれしいです♪更新が遅くなってしまう日もありますけど…これからもどうか見ててくださるとうれしーですっ! (2018年10月3日 18時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2018年8月22日 21時