検索窓
今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:1,308,812 hit

37 ページ37

でも私はずっと気になってることがある。

玉森くんが、私と付き合いたいっていうのは、よくわかった。

でも、それって何で?

私のこと好きだから?

それとも、私が玉森くんのことをもう好きじゃなくなったから、それが嫌で引き止めておきたくて、こんなことしてるとか?

DVDが終わって、エンドロールをぼーっと眺めてる玉森くんの横顔を、チラ見してみる。






「…何?」

「玉森くんってどうしたいの?」

「…またそれ?」

「そもそも、私のこと好きなの?」

そう聞いた途端に黙り込んでしまう。

…怪しい。

やっぱり、私が好きだから彼氏になりたがってるんじゃなくて、

私が好きじゃなくなったのが惜しくて、彼女という位置に一応置いといて、自分の好きに振り回してやろうって思ってるんだ。

だって、さっきから何も言わないし。

それに、目だって合わせてこないし。





「…もういい。わかった。」

私がそう言ったら、

「何が?」

って、逆ギレ気味に聞いてくる。

「玉森くんの考えてること、わかった。」

「…何が?」

玉森くんは何故か動揺している。

だから私は、腰に回された玉森くんの腕をそっと引き抜いた。






「私のこと繋ぎ止めておいて、いいようにこき使おうって思ってんでしょ?
もうその手には乗らないから。」

そう言って、玉森くんを軽く睨みつけたら、

玉森くんも睨み付けてくる。

「…は?俺がいつそんなこと言った?」

「態度でわかるよ。
それに、今までの玉森くんの行動と照らし合わせてみたら、それしか考えられないじゃん。」

「何それ。」

「…正直に言うね。
私は、もうお金がないの。
もう玉森くんに贅沢なランチを食べさせてもあげられないし、タクシー通勤だって無理。
だからこれ以上、私のこと振り回すのやめて。」

…言っちゃった。

本当の気持ち。

もう玉森くんに振り回されて、こき使われて、精神的不安定になるの、嫌なんだ。

これが私の正直な気持ち。







「俺、そんなこと思ってないけど。」

さっきまで私のことを睨み付けてたのに、玉森くんは急に悲しそうな顔になる。

「何?Aから見た俺ってそんな感じ?
Aのこと振り回して、こき使って。
で、Aが俺のこと好きじゃなくなったのが惜しくて、繋ぎ止めようとして、告白したって思ってんの?」

「告白なんかされてないし。」

「したわ!」

「されてないよ。」

って、また、言い合いになる。

38→←36



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (792 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1950人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

わかめ(プロフ) - 夕空さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりまして申し訳ありませんm(__)mキュンキュンしていただいてありがとうございます(*^-^*)これからも頑張りますので、また読んでやってくださいませ(*^-^*) (2017年1月29日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
夕空(プロフ) - 2話とも、凄く面白くてキュンキュンしてますヽ(*´∀`)ノこれからも頑張ってください!! (2017年1月19日 16時) (レス) id: a68f5393cb (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます♪ちょっとドSな玉森さんなんで、怒られるかもー、なんて、ドキドキしながら書きました(^^)これからも頑張ります(´∇`) (2016年7月31日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とってもドキドキしました〜!(^∀^)今までにないようなお話で、とても気に入りました(#・ー・#♪)これからも、頑張ってくださいね! (2016年7月28日 13時) (レス) id: 0c0813c9ee (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - さやさん» ありがとうございますー(/ω\)ドSが受け入れてもらえるのかどうか、ドキドキしながら書いてました(/ω\)続編も書いてみたいなーと思い中です♪読んでくれてありがとうございました(*^-^*) (2016年6月17日 8時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わかめ | 作成日時:2016年5月4日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。