検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:1,308,802 hit

36 ページ36

昼前まで寝てて、重い瞼を開くと、

もうとっくに玉森くんは起きていて、ソファーでテレビを見ながら私を振り返る。

「…おはよ。
A、昨日かなり、うなされてたけど?」

…玉森くんのせいだよ、たぶん。

すごい悪夢の連続だったもん。

ずっと何かに追いかけられてて、目が覚めて、

また寝たら、さっきの続きが始まっちゃって、また追いかけられる、みたいな。





とりあえず、朝ごはんを食べてから、

「荷物まとめるね。」

って、クローゼットから玉森くんのトランクを引き摺り出す。

「…は?何してんの?」

玉森くんは不思議そうな顔で、私の行動を見ている。

「だって、今日自分の部屋に帰るんだよね?」

「…何それ。俺、そんなこと言ったっけ?」

「言ってたよ、栞ちゃんに。
来週から自分の部屋に戻るからって。」

「ああ、それね。
そんなの嘘に決まってんじゃん。
俺は完治するまで、ここにいるつもりだけど?」

しれっとした顔でそう言うから、なんか全身の力が抜けて、床の上に座り込んでしまった。

てっきり今日で帰るって思ってたから、その心づもりでいたのに。







「そんなに帰ってほしい?」

そんな私の態度が気に入らないのか、むすっとした顔で玉森くんが近寄ってくる。

「帰ってやってもいいけど。」

私の前に立ちはだかると、仁王立ちで偉そうに見下ろしてくる。

「その時は、Aも連れてくから。」

「…え?」

「完治するまで、俺の面倒見る契約じゃなかった?」

「…うん。」

「どうする?
ここで面倒見る?それとも、俺の部屋に行く?
俺の部屋にAを連れ込んだら、もう俺、帰さないけどね、Aのこと。」

そう言って見下ろしてくる玉森くんの顔は、やっぱりサタンに見える…。









日曜の午後、やることがなくて、2人でだらだらDVDを見てる。

隣に座れっていうから、ソファーに2人で並んで座ってるけど。

…慣れないよー。

やっぱり、玉森くんのこと好きにはなれないかも。

だって怖いもん。

今だって、腰に腕とか回してくるし。

ぐいっと引き寄せてくるし。

急に、攻めモードにシフトチェンジしてくるから、正直、怖くて仕方ない。





「そんなに、警戒すんなって。」

玉森くんが鼻で笑う。

「…するよ。」

「俺、警戒されるほど、攻めたくなっちゃうんだけど。」

そう言いながら、横目でチラッとこっちを見てくる。

怖いよー。

次は何されるんだろ…。

37→←35



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (792 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1950人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

わかめ(プロフ) - 夕空さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりまして申し訳ありませんm(__)mキュンキュンしていただいてありがとうございます(*^-^*)これからも頑張りますので、また読んでやってくださいませ(*^-^*) (2017年1月29日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
夕空(プロフ) - 2話とも、凄く面白くてキュンキュンしてますヽ(*´∀`)ノこれからも頑張ってください!! (2017年1月19日 16時) (レス) id: a68f5393cb (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます♪ちょっとドSな玉森さんなんで、怒られるかもー、なんて、ドキドキしながら書きました(^^)これからも頑張ります(´∇`) (2016年7月31日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とってもドキドキしました〜!(^∀^)今までにないようなお話で、とても気に入りました(#・ー・#♪)これからも、頑張ってくださいね! (2016年7月28日 13時) (レス) id: 0c0813c9ee (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - さやさん» ありがとうございますー(/ω\)ドSが受け入れてもらえるのかどうか、ドキドキしながら書いてました(/ω\)続編も書いてみたいなーと思い中です♪読んでくれてありがとうございました(*^-^*) (2016年6月17日 8時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わかめ | 作成日時:2016年5月4日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。