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「ステーキ食べる?」

って、こっちから聞いたら、

「別にいい。」

とか言ってくるし。

あれからお昼は相変わらず贅沢三昧だけど、玉森くんは自分の分はお金を出すようになったし。

それきり何も言わないから、ハンバーグを作ってあげた。

ちゃんと2人分。

ミンチ肉なら安いしね。








その日の夜、今度は私がおかしくなった。

廊下で寝てたら、なんだか天井が回り始めた。

…ヤバイ。

なんだかおかしい、私の体。

熱があるんだってことは、自分でもわかった。

明日も朝からバイトだし、寝てりゃ治るって、そのまま寝ちゃってた。






でも朝方、おでこに触れた冷たい手のひらの感触で、目が覚める。

「…A、熱あんじゃん。」

って、冷静な玉森くんの声。

「…うん、大丈夫。」

「いや、熱あるって。」

「大丈夫大丈夫。」





だけど、玉森くんはいつまでも私の布団の傍に、ギプスをした片足を投げ出すようにして座り込んでる。

「何でここにいるの?」

「Aの携帯のアラームが鳴ってたから。
ずっと鳴ってんのに、A起きないし。」

って、なんだか泣きそうな顔で、枕元に座り込んでる。

「A、体温計どこにあんの?」

「大丈夫だって。」

「今日も出かけんの?」

「大丈夫大丈夫。」





口ではそう言ってみるけど、今日はとても動けそうにない。

でも、玉森くんに弱い自分を見せたくなくて、無理に起き上がろうとするけど。

「いいから寝とけよ。」

「大丈夫だって。」

「熱あるんだって。」

「…大丈夫大丈夫。」

「…つか、会話になってねーし。」

そう言いながら玉森くんは、起き上がろうとした私を、引き戻すように布団に寝かしつける。







「どこ行くつもりだった?今日。」

そんな玉森くんの質問を無視して、携帯を取り出して、バイト先に電話をかける。

「ごめんなさい。
熱が高くて、今日は休みます。」

電話を切った後、そのまま目を閉じると、

「何?今の。
今日は休むって?
お前バイトしてたの?」

そう聞かれても、答える気力もない。

「…つかさー、辛いならそう言えよ。」

やっぱり玉森くんは、泣きそうな顔をしてそう言う。






「…辛くないよ?」

「熱出てんのに?」

「それは少し辛いけど。」

「何もないのに、いきなり泣いたり。
お昼休みにおにぎり1個とかさ。
なんなの、それ?
バカにしてる?」

って、なんでこんな状況で私が怒られなきゃいけないの?

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わかめ(プロフ) - 夕空さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりまして申し訳ありませんm(__)mキュンキュンしていただいてありがとうございます(*^-^*)これからも頑張りますので、また読んでやってくださいませ(*^-^*) (2017年1月29日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
夕空(プロフ) - 2話とも、凄く面白くてキュンキュンしてますヽ(*´∀`)ノこれからも頑張ってください!! (2017年1月19日 16時) (レス) id: a68f5393cb (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます♪ちょっとドSな玉森さんなんで、怒られるかもー、なんて、ドキドキしながら書きました(^^)これからも頑張ります(´∇`) (2016年7月31日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とってもドキドキしました〜!(^∀^)今までにないようなお話で、とても気に入りました(#・ー・#♪)これからも、頑張ってくださいね! (2016年7月28日 13時) (レス) id: 0c0813c9ee (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - さやさん» ありがとうございますー(/ω\)ドSが受け入れてもらえるのかどうか、ドキドキしながら書いてました(/ω\)続編も書いてみたいなーと思い中です♪読んでくれてありがとうございました(*^-^*) (2016年6月17日 8時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年5月4日 2時

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