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ああ…、リピートが始まってしまった…。
また隣から本人に凝視されながらの拷問鑑賞が始まるのか。
そう思ってたら、
「ちょっと煙草吸ってくんね」
ニヤリと笑って彼は、キッチンの換気扇の前に移動していく。
これでゆっくり鑑賞できると見始めたものの、薄暗いキッチンの端から微かな視線を感じるわけで…。
キッチンの薄暗い場所から本人の視線を感じながら「今ナニヲ想ウノ」を鑑賞するとか、どんな放置プレイだよ！
でも微かに、彼が鼻歌でメロディーを辿っているのに気付いた。
何でそんなに、気持ちよさそうに鼻歌を歌ってるわけ？
だけど、こんな機嫌よく鼻歌を歌ってる彼を間近で見れるのは、彼女である特権なわけで。
あの北山宏光が自分のDVDを見ながら鼻歌を歌っていて、それを北山宏光の部屋で見ているとか…。
ファンなら悶え死にそうなこの状況も、今の私には息苦しく感じてしまう。
一体彼は、何がしたいんだろう。
「どう？面白い？」
鼻歌と共に隣に戻ってきた彼は、またリモコンを手にする。
「リピートする？」
…って、何？
意味ありげな目をして。
「もういい」
「じゃあ、他のDVDでも見る？」
含み笑いで訊ねられて、どう答えたらいいのかわからなくなって目を伏せた。
この人は…。
一体何がしたいんだろう。
楽しそうに横目で私を見ながら、また隣で鼻歌を歌いながらほんの少しだけ距離を詰めてくる。
「なんか今日、私に対して意地悪じゃない？」
「そう？なんか面白くて」
ちっとも悪びれてない彼は、机の上の空き缶なんかを片付けながら、ものすごく得意げな表情をして、こう言った。
「じゃ、そろそろ寝室行く？」
「今日は上に乗っちゃっていいよ」
彼はそんなことを言いながら、先にベッドに横になる。
ベッドの脇にいる私に、大きく両手を伸ばして、
「おいで」
とか、まるで営業モードな言葉を投げかけてくる。
「今夜はAの好きだった俺でいてあげるから」
「どういう意味？」
「たまには俺のこと、見下ろしてみたいんじゃないかと思って」
確かに、それは願ったり叶ったりなんだけど。
今のメンタルはとても、そんな状態に耐えられるとは思えない。
ずっと好きで双眼鏡越しに一途に見つめていた彼をベッドの上で見下ろすなんて…。
そんな器用なこと、私にはできない。
…まあ、できるんだけど。
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りたわかめ(プロフ) - chiiiさん» お返事が遅くなり申し訳ございません。また続けて書いて行きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m (2021年12月27日 1時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
chiii(プロフ) - これからのお話が楽しみです！ (2021年6月20日 14時) (レス) id: 3eedbd4ab6 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 和子さん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。 (2021年6月8日 10時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» 実は地味に更新してるんですよw不穏な流れになってるかもです<(_ _)> (2021年6月8日 10時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
和子(プロフ) - 更新ありがとうございます。待ってました! (2021年6月1日 0時) (レス) id: f18c01eb01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年9月6日 19時
