無敵のスピカ

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「お風呂入る？」


「うん。入ってくる。」




ビール三杯飲んだらいい感じに気持ちよくて。でもこれ以上はなんだか飲む気になんねーなって所でそう言われた。




「一緒に入る？」



上目遣いで聞かれて一気に
あ、この子とはそういう関係か、と我に返る。



「いや、一人でいい。」



いきなりな。
ちょっと無理。



断ってもわかった、とニコッとする彼女は
とても一緒にいて居心地が良かった。







バスローブを着て部屋に戻ると
Aも同じバスローブに着替えてて小さく二度見する。





「ベット、横になって？マッサージしてあげる。」




お、おぉ。




差し出される水をとりあえず一気飲みして
ひんやりとしたシーツの上にうつ伏せで寝転がった。






「痛い所とかない？」


「うん、大丈夫。」






つか気持ちいーーー、




Aの柔らかい手で優しく揉みほぐされてて
いつも男のマッサージ師のゴツイ手でガッツリやってもらってるのとは訳が違う。




つか、これ、･･･そんな気分になるな。



なるほど。これは俺みたいに警戒心が強い男への前戯みたいなものか。



やるな、A。さすがプロ。






でも俺は、あまりにもリラックスしてしまって
普段の疲れが溜まってたせいもあって
そのまま爆睡してしまったんだ。









とんとん、と肩を叩かれて目を覚ますと
朝の日差しと共にAの微笑んだ顔が目に入った。




「おはよう、宏光。」


「あれ？俺、寝ちゃった･･･？」


「うん。すごくよく寝てたよ？」


「Aは？どこで寝たの？」


「隣りのベットで。」






なんだよ。それなら同じベットで寝てくれたらいいのに。って思う俺は既にAに心許してる。




「マネージャーさんから連絡あって、九時に迎えに来るって。」


「･･･そっか。ありがと。つかさ･･･何も出来なかった。ごめん。」





しなかったらAの取り分が少なくなるとかねーよな？
俺は何やってんだよ、こんな可愛い子置き去りにして勝手に寝ちゃうとか。


途端俺の言葉に小さく吹き出したAは
少し笑いを堪えてから




「いいんだよ？気を使わないでよ。宏光がしたかったらしたらいいし、そんな気分じゃなければしなくていいんだから。」




可笑しそうに笑われて
そっか、って若干恥ずい。

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