無敵のスピカ

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静かに頷くAを見て
またこいつを抱けるんだって思ったら心が疼いた。









いつか、Aはこんな俺に愛想付かせて去って行く。



それまでAからの愛情、少しだけ受け取ってやるよって最低の提案をした俺だけど、それをあっさりと受け入れた彼女に俺は完璧甘えてたんだ。








今の彼女と
二番目の女、A。



不思議なもんで彼女は多少なりとも気を使うけど
Aにはいつも言いたい事言ってた。



何言ったって、こいつは俺がめちゃくちゃ好きみたいだし。
なにより、こんな俺を受け止めて愛してくれる存在･･･









「･･･はぁ、･･･、宏光っ、大好きっ、」






Aを見下ろして快感に溺れてる時に
突如、喘ぎ声と共に聞こえた言葉･･･、
涙を滲ませてる目元にキスをした。






「俺は愛してるよ。」





Aを揺さぶりながら
俺も揺さぶられながら
本当はAなんかより俺の方が気持ち強いんじゃねーかって。



本気でそう思う瞬間も沢山あったんだ。
だから一緒にいた時間に嘘は一つもない。









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彼女との日常
Aとの日常




俺は二人の女の間をふらふらとしてた。



彼女は変わっても
Aとの関係は何も変わらない。
それが心地良かったから。



だからずっとこんな関係が続けばいいって思ってた矢先だった。







「･･･宏光？今の彼女って瞳って子だよね？」


「んや？違う。今は彩乃。」






テレビ見ながら応えてたら
ただならぬ視線を感じてAを見ると
俺を悲しそうに凝視してた。





「どした？」


「･･･瞳ちゃんと別れたら、私を彼女にしてくれるんだって思ってずっと待ってたんだよ？私。」







Aが二番目の女になってから
もう一年半が経とうとしてた。




俺は満足してたこの関係だったけど
Aはずっと待ってたんだって初めて気付いた瞬間
あぁ、もうAとは終わったんだなって悟ってしまった。





「宏光っ、宏光にとって私はなんなのよっ、」



初めて見るこいつの泣き顔。




いや、初めてじゃないか。
してる時、感情が昂って泣いてたのは別としても･･･



付き合ってて、別れる時も泣いて縋られたんだ。



その時以来のAの涙･･･。








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