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トイレに向かってる途中、横を抜けて行った彼は、私達に向かって意味ありげにニヤッと笑いかけてきた。
それは愛想笑いとかそんなんじゃなくて、「こんなことになってんですけど？」的な、まるで同志に向けるような笑みで。
その後を彼女が、私達のことなんてまるで気付かずに追いかけていく。
「…なんか、大変そうですね」
彼に同情してそんなことを言ったら、
「Aちゃんは？
嫉妬とかしないの？」
霞さんはそんな風に返してきた。
「嫉妬なんてするわけないじゃないですか」
「だって、付き合ってんでしょ？」
「付き合ってないですって！」
そこは強めに否定しておく。
霞さんは思い込んだらまっしぐらなタイプだから。
「この間、北山くんと飲みに行ったんだけど
私にだけ、こっそり教えてくれたよ？
週に何度も、Aちゃんの部屋に通ってるって」
…北山くん、けっこうしゃべっちゃってるじゃん！
まさかキスしてるとか、一緒に寝てるとか、そんなことまでは話してないよね？
「たまに来る程度ですよ
ちょっと飲んでしゃべって、帰ってく、みたいな」
「だって、たまに泊まったりしてるんでしょ？」
…言っちゃってるじゃん。
一体どこまで話してんだろう。
ドキドキしながら霞さんに探りを入れようとしたところで、誰かが隣にドサッと座ってくるのに気付いた。
「北山くん！」
驚いて先に声を上げたのは、霞さんの方だった。
「だめじゃん、ここに来ちゃ」
霞さんは顔を顰めるけど、彼は平気な顔をして居座っている。
「いいじゃん、ここ３人掛けだし」
「じゃなくて、女の近くに来んなって言ってんの」
霞さんの文句ですら、心地よさそうに目を細めて、
「Aちゃん、披露宴の最初からずっと泣きっぱなしだったんだって？」
とか、からかうように言ってくる。
「誰に聞いたの？」
「さっき教えてもらった
あんまり泣くもんだから、つられて霞さんも泣いてたって」
くすくす笑いながら私の頬をつつくから、霞さんは慌ててその指を掴んだ。
「ちよっと！
ここは人の目があるんだから
イチャつくなら、人のいないとこでして」
霞さんが小声でそう嗜めた途端、私達の前に誰かが立ちはだかった。
そのシルエットだけで、すぐにわかる。
…彼女だ。
「皆さんも北山さんの飲み友達なんですか？」
にこやかに微笑みながら、何故か彼女は私に問いかけてきた。
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りたわかめ(プロフ) - えぴさん» ありがとうございますm(__)m (2022年1月2日 21時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
えぴ - ほんとにリアルすぎて最高です！ (2022年1月2日 18時) (レス) @page21 id: 06d564cdce (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - えりさん» 本日、移行いたしました。えりさんをドキドキワクワクさせられますように(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - renaruriさん» 更新いたしました。ちょっと急展開になってるかもです(/ω＼) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - moraさん» やったー！いい感じに予想を裏切れてる？私w moraさんの予想を裏切れるよう頑張ります(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2019年9月28日 20時
