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「そんなの、迷惑じゃん」
「迷惑じゃないって、俺が言ってても？」
今日の彼はなかなか頑固だ。
酔ってるせいもあるんだろうけど、
素直に心のうちを見せてくれてるのが、私にはうれしくてたまらなかった。
「疲れて帰ってきて、明日の朝も早いって日に、私が部屋で待ってたら困らない？」
そう尋ねたら、彼は少しだけ考え込んで、
「今、想像してみたけど、困んないと思う
疲れてる時に誰かが部屋で待っていてくれたら、安心しない？」
サラリとそう答えてきた。
「本当に？」
「本当に」
「それって、私以外の友達が勝手に部屋で待ってたらどう？
他の友達でも、同じこと思う？」
「だって、俺が合鍵渡してんのって、Aちゃんしかいないし」
…ああ、もう！
何で今夜はこんなに絡んでくんのかな。
まるで口説かれてるみたいじゃん。
本気で付き合う気もないくせに。
これだけ思わせぶりなことを言っておいて、最後に「まあ、誰とも恋愛する気はないんだけどね」とか、エグい言葉を口にするんだよ、この人は。
「じゃあ、また考えとくね」
適当にそう答えた。
行く気はさらさらないけど。
そこまで私は、バカじゃないから。
酔いが覚めた頃、
「じゃあ、そろそろ帰ろうかな」
そう言って彼は、重い腰を上げた。
「じゃあ、１ヶ月後にね」
そんなことを言いながら見送る私は、まるで愛人みたいだ。
そう思っただけで、笑えてくる。
笑いを堪えたような私の表情を見つけた彼が、また不貞腐れたみたいに唇を尖らす。
「何がおかしいわけ？」
「なんか、今日の北山さん、可愛かったなって思ってただけ」
そう答えた途端に、後頭部を引き寄せて、いきなり唇を重ねてきては、
一旦唇を離して、今度はおでこをこつんと合わせてくる。
「俺、可愛いだけじゃねえから」
そんな負けず嫌いの子どもみたいな台詞を吐いては、
「今回も謝んないから」
とか、おでこをくっつけたまま言ってくる彼はきっと、
私の母性本能をバカみたいにくすぐっていることに、全然気付いてない。
無防備な彼は今、本能のままに動いてるんだろう。
そう思っただけで、胸がじんわりと暖かくなる。
でもこれ以上、深みにはまってしまうのは怖いな。
こんな風にずっとギリギリの浅瀬で、ちゃぷちゃぷと緩い波と戯れていたい。
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りたわかめ(プロフ) - えぴさん» ありがとうございますm(__)m (2022年1月2日 21時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
えぴ - ほんとにリアルすぎて最高です！ (2022年1月2日 18時) (レス) @page21 id: 06d564cdce (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - えりさん» 本日、移行いたしました。えりさんをドキドキワクワクさせられますように(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - renaruriさん» 更新いたしました。ちょっと急展開になってるかもです(/ω＼) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - moraさん» やったー！いい感じに予想を裏切れてる？私w moraさんの予想を裏切れるよう頑張ります(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2019年9月28日 20時
