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片付けを終えて家に戻ってきたら、もう惇菜さんは帰ってしまっていた。
こたつの上には不動産のチラシが置かれていて、それを見た横尾さんは軽くため息をつく。
「…なんか言われた？
惇菜に。」
だけど天邪鬼の私は、
「別に、何も。」
と愛想なく答える。
何か言いかけようとした横尾さんの言葉を遮るように、
「今日は、夕飯はいりません。
シャワー浴びてすぐ寝ます。」
それだけ伝えて、お風呂場に逃げ込んだ。
なんだか今日は、まともに横尾さんと会話ができそうにないんだ。
お風呂場から出たら、横尾さんは台所に立ってるところで、その背中に向かって、
「おやすみなさい。」
と言い逃げして、自分の部屋に引きこもった。
襖の向こうで、横尾さんが出来上がったごはんを食べてる気配を感じながら、何故か私はいとも簡単に眠りにつけた。
…きっと、疲れてたんだよ、私。
だから惇菜さんに言われたことも、今日は受け流せなかったんだって。
目が覚めた時には、いつもの私に戻ってるよね。
なのに…。
遠慮がちに襖をノックする音で目が覚めた。
…今、何時？
枕元のスマホをみれば、午前０時ジャスト。
「…A、ちょっといい？」
って、私の返事も聞かずに、襖を開けてしまう。
暗がりの中、ベッドに潜り込んでる私を見て、
「ほんとに寝てたんだ。」
って、横尾さんは何故か笑ってる。
「今夜は、ここで寝ない？」
横尾さんの言ってる意味がわからなくて、うまく返事ができなかった。
今夜…？
ここで…？
「なんか、眠れないんだけど。」
とか言いながら、勝手にベッドに入ってくる横尾さんを、私はすんなり許してしまっていた。
なんだ…。
私は結局、かまってほしかっただけなのかな。
話を聞いてもらって、不満をぶちまけて慰めてもらいたかったのかな。
でも、意地張ってグズグズ引きこもって。
そういう私のことを、横尾さんが幼いと思うのは仕方ないことだよね。
壁の方を向いて硬直している私に、あの時みたいに横尾さんは背中からやんわり抱き締めてくれた。
「言ってみたら？
今日あったこと。」
滅多に聞けないくらいの、優しい声で。
空いた手で、私の髪を指でくすぐりながら。
ベッドの中の横尾さんは、どんどん甘くなっていく。
私を甘やかせて、私のカチコチになってる心をゆっくり解くように。
横尾さんは私を甘やかしすぎだよ。
…ほんと、大人って怖い。
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わかめ(プロフ) - くーさん» ありがとうございます(*^-^*)私も本当に横尾さんのヒモ状態が思い浮かばず、ガチで悩みました。一、二を争うとか…、ありがとうございます。またボチボチRAIBOWも書いて行きますので、どうぞよろしくお願いします(*^-^*) (2018年1月21日 19時) (
レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» ありがとうございます！これですべて完結しました♪こういう関係のお話を書きたいなー、とかずっと思ってまして、夢が叶ってよかったです(*^-^*) (2018年1月21日 19時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - にかはるかさん» コメントありがとうございました！だいぶお返事が遅くなってしまい…、大変申し訳ございません(/ω＼)私もこの甘系の横尾さんを書くのが楽しみでした。またRAINBOWもありますので、読んでいただけたらうれしいですー(*'ω'*) (2018年1月21日 19時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
くー(プロフ) - 完結お疲れさまでした!!最初ヒモ男子な横尾さんが想像出来なかったのですが、上手くまとめましたね。今までのヒモ男子のお話の中でも一、二を争う好きなお話でした。続きが気になるのでまた思い付いたらヨロシクお願いします。 (2018年1月8日 18時) (レス) id: 186d620cf9 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 完結おめでとう。この２人の雰囲気、すきです。兄妹のような、家族のようなあったかい愛情が感じます。 (2018年1月8日 15時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2017年7月20日 23時
