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「見て、これ。」
更に彼女は私にスマホの画面を見せてくる。
それは誰かのtwitterで、
『今日は玉森くんとアウトレット』
っていう文章と、先生の後ろ姿の画像が載っていた。
多分これ…、私の服を買った店だよね。
もしかして私が試着室に入ってる時に隠し撮りした感じ?
…ってことは、このTwitterは優さんの!?
「この人が玉森先生の彼女だよね。
綺麗な人。」
わざと私を挑発的にチラリと見ては、他の画像を広げる。
それは、優さんの自撮りのオンパレードで。
私は広川さんに気付かれないように、溜息をひとつついた。
「それ、まさか検索かけたの?」
「そう、玉森先生の名前で。
すごくない?」
「…暇だね。」
そう言い切ると、私は問題集を開いてヘッドフォンを装着する。
もうこれで会話は終わりっていう意味で。
私はこのことを先生に言うつもりもなかったし、実際言わなかった。
優さんの自演っていうのは理解できてたし。
それよりも、迫りくるセンター試験の方が私にとって脅威だったんだ。
12月に入り、広川さんは都内のそこそこの大学にAО入試で合格し、この部屋に訪れることはなくなったけど。
玉森先生も他の受験生の指導が多くなり、この部屋にいる時間は極端に少なくなっていた。
寂しいけど、私には野望があった。
センター試験が終わったら、思いっきり先生に甘えて、
入試が終わったら、合否がどうであれ先生の部屋に泊まりに行こうって。
そんな秘かな野望のために私は今、なんとか頑張れてるんだ。
終業式に渡された、この間の模試の結果は…B判定。
「この冬休みの過ごし方でAの合否は決まるから。」
先生にもそう言われたし、冬休みは先生にうちの家で個人授業してもらうって約束もしてある。
なのに…。
学校帰りの駅前で偶然会ってしまった。
いや、偶然じゃないよね。
思いっきり待ち伏せされてたから。
…優さんに。
「ちょっと付き合って。」
って、そのまま強引に私を、車の後部座席に押し込んだ。
運転してるのは全然知らない人。
私の後から、出口を塞ぐように乗り込んで来た優さんは、
「これからAちゃんを拉致するから。」
とか言い放つ。
拉致!?
何言ってんだ?この人。
「大丈夫、すぐに帰してあげるから。
Aちゃんは裕太をおびき寄せるための囮なの。」
「Aちゃんがいるって言ったら裕太も来るでしょ?」
「どこに…ですか?」
「温泉旅行に。」
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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時