GATE １８ →

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「先生はその浮気が許せなかったんだ？」

「って言うか、無理じゃない？
浮気したような子ともう１度やり直すとか。」

「ただ、めんどくさかったからじゃない？」

なんて憎まれ口を叩きながら、内心、先生って意外にそういうとこ融通がきかないんだ、

なんて、１人で萌えてた。









「先生？」

先生の横顔に声をかければ、先生は前を向いたまま、

「何？」

って、返事をしてくれるのがうれしい。

やっぱりこの関係がいいよ。

言いたいことを言い合える、教師と生徒だけど、兄と妹みたいな、そんな関係。

私は、これ以上は何も望んでいない。








「もう優さんは離婚したんだから、フリーだよ？」

「だから何？」

「また、付き合うとか考えないの？」

「無理じゃない？
浮気するような子とは。」

って、先生はスッパリと切り捨てる。

「でも、スーパーで見かけた時の先生は、優さんにすごく優しい笑顔を向けてたよ？」

「そう？
多分、よそ行きの顔をしてたんじゃない？」

って、またバッサリ。







今度は先生が、

「どう？萌えた？
俺の恋愛話を聞いて。」

まるでからかうみたいに聞いてくる。

だから正直に教えてあげるね。

「萌えた。」

って。

なのに先生はやっぱり笑い出す。

「どこが？」

「彼女の浮気を許せない先生の融通のきかなさが。」

その答えにひとしきり笑ってから、

「やっぱりAは面白いわ。」

って、また私の頭を撫でた。

先生の腕が、私に向かって伸びて来るたびに、何故か私の心臓は派手に動き出す。

その手が頭を撫でれば、ずっと撫でていて欲しいって思ったりもする。

先生からは何もいらないはずなのに。

何か与えられる度に、私は貪欲になっていく。







「何で先生は私に好きでいろとか言うわけ？
普通の先生はそんなこと言わないよ。」

「…俺、普通じゃないし。」

「何それ。」

「さっきのAの真似じゃん。」

先生がそう言い終わったと同時に食事が届き、私達は無言で食べ始める。

こういうとこも好き。

無言でいるのに、先生といると苦じゃないところ。

先生が怒ってる時の無言は、ガチで怖いけどね。









「Aは俺と付き合わなくていいって言うけどさ。
それって、どうなの？」

「何が？」

「この先好きになる人とは付き合わないわけ？」

「付き合うよ？」

「…俺とは付き合わないのに？」

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