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案の定、連絡はつかなかったみたいで安堵してたら、

「一応連絡は入れたよってことで、いいんじゃない？
行く？」

北山さんはそう言うけど、私は首を横に振るだけ。

一旦、付き合うって決めたら私は一途だから。

それに、先生の言うことはちゃんと聞くよ？

「やめときます。
日曜日は模試なんで。」

そんな優等生な答えに、北山さんは何故か吹き出す。

「そんなに嫌？
俺と出かけんの。」

「嫌じゃないです。
でも、先生の許可を得てないのは嫌だし、本当に勉強したいから。」

私的に、もう最後の模試だし。

合格判定Ｂくらいには持っていきたいんだ。









「そっかー、残念。
まあ、わかんないことあったら聞いてよ。
俺も教員免許持ってるからね。」

マジで？

なんか北山さんが教員免許とか、意外なんですけど！

「まあ、体育だけど。
保健体育くらいしか教えられないけど、それでもよかったら。」

「何それ。」

思わず笑っちゃった私に釣られるみたいに、北山さんも笑い出す。









「玉の許可が出たら、またみんなで飯でも食いに行かない。
あ、年末には大学のみんなで温泉貸し切って忘年会するからさ。
Aちゃんもおいでよ。」

「温泉…。」

「そう。
大学のサークルの仲間で。」

「でも私、受験生なので年末は追い込みなので無理だと思います。」

「玉を１人で温泉旅行とかに行かせちゃっていいの？」

って、意味深な微笑み。

「元カノの優ちゃんも来るし。」

北山さんはやっぱり意地悪だな。

けっこう精神的に不安定な受験生に、そんな不安要素を投げつけるなんて。

結局、ホームに次の電車が来てしまい、北山さんとはそのまま変な感じで別れてしまった。








その日の夜、玉森先生から電話が入る。

「ちょっと出られる？」

先生は、学校からそのまま私のマンションに来てくれて、そのまま助手席に私を乗せて走り出した。

「…持ってきた？」

って、開口一番それ？

「持ってきたよ。」

電話で先生に言いつけられた、勉強道具と赤本。

「どうするの？これ。」

「勉強させる。」

「どこで？」

「２人きりにになれる所で。」

先生はそう言うけどさ。

こんな時間に未成年の私と先生が、２人きりになれる場所なんてどこにもないと思うけど。

「Aを閉じ込める、これから。」

「ええっ！？」

私が大げさに声をあげれば、先生は途端に笑い出す。

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